[試験結果]


香川大学 1995 年度 経済学部 経済学科 専門教育科目

授業科目:ミクロ経済学
教官名:三原麗珠
単位数:4単位
開講学期:後期
講義日時:火曜 1240-1440;金曜 1240-1440

1. 概要

「市場と政治のミクロ分析: 規制緩和のみかた」——などと副題をつけることがで きるかもしれない. だがこのコースの目的はまにあわせのトレンディーな知識を伝 達することではない. もっともハードな社会科学として確立したメインストリーム のミクロ経済学の基礎を, その考え方に重点を置きながら解説することが目的だ. ミクロ経済学は個人の選択をあつかう. その考え方の特徴は〈個人は目的を持ちそ の目的を達成するのに最適な方法を選ぶ傾向にある〉と仮定することにある. この コースではその考え方を市場だけではなく政治プロセスにも適用する. ミクロ経済 学という“固定された”テクニックを獲得することは私たちの周りを流れて行く〈時 〉にとりのこされることではない. 時の流れを受けとめることのできるひとつの普 遍的なパースペクティブがミクロ経済学という世界認識の方法によって確立できるの だ(ワタシ/時/ナガレテイク).

警告: このコースとの出会いは(きっと…)受講者の価値観に変化を引きおこすこと があります. その価値観の将来における適用は(時代をになう)各個人の責任に委ね られており, 不適切な適用によって被った損害について講師は何の責任もとりません.

2. 講義要目

1部 経済学的な考え方——イントロダクション(経済学的アプローチ 経済学者のツール 供給・需要・市場プロセス 公共部門にたいする供給と需要)
2部 ミクロ経済学(需要と消費者選択 費用・財の供給 純粋競争下の企業 独占と高い参入障壁 競争と独占の間 経済ストラクチャー・規制・規制緩和)
3部 要素市場と所得分配(生産資源の供給と需要 稼得・技術習得・職業市場)
4部 公共選択(市場の問題領域 公共選択: 政府の機能と政府の失敗)

3. 講義方法

各自テキストを読むことは大前提とする. 講義では私の強調したい部分と学生の 理解しにくい部分をクローズアップし, テキストよりやや高めのレベルで進めていく . 自習は一週間8時間程度ですむだろう.

4. テキスト

J.D.ゴートニー・R.ストロープ『ミクロ経済学の基礎』冨樫光隆他訳, 多賀出版, 1986. ¥3300.

5. 参考書

たぶん不要. ただし理論重視の解説書を使う方が理解を早めることがあるので, 一例として気鋭の理論家 Saijo らによる最新作を紹介しておく: 石井・西條・塩沢 『入門ミクロ経済学』有斐閣, 1995.

6. 関連授業科目

このコースの前提として要求される科目はない. このコースを要求する科目につ いてはそれぞれの講義要項を参照. ミクロ経済学に投入した努力はほとんどの現代 経済学の科目にたいするより深い理解となってかえってくるので, とくに今後経済学 を学ぶ学生はこの点も考慮して各自の努力配分を決定すること.

7. 単位認定方法

期末試験を主とし中間試験の結果も考慮する. 感じとしては, 中間・期末の点数 をそれぞれ a, b とすると最終的には max{a+b, b+b} を基準とする. 中間が良くて も安心する必要はないし, 悪くても絶望はできない. 試験時間中の自由な情報交換 は禁止するが試験前の情報交換は奨励する. [1/97 加筆:中間試験は実施しなかった.]


試験結果

総得点は,期末試験の得点(40点満点)・アスキュー論文リポート点(3点2名,2点2名,1点13名)・コメント点(該当者なし),の合計です.登録者は258名,期末試験受験者は196名でした.

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三原麗珠

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