規範経済学
香川大学大学院経済学研究科講義1999年度
経済原論 A 特殊講義
教官名 三原麗珠(経済学部) / H.
Reiju Mihara
4単位通年 曜日・校時と場所: 受講者がいなかったので開講せず (学部演習が同じようなトピックスをあつかっている)
1.概要 「どのようにメカニズム(契約や法制度などのルール)を定めれば,ひとびとの選好や権利を尊重しつつ社会的に望ましい状態を達成できるか?」〈規範経済学〉は価値判断にかかわるこの種の問題をあつかう.この授業では経済理論の先端的な成果のなかから,規範経済学の今後の発展に貢献しそうなものを選んで検討していく.
2.講義要目 ここに挙げたのはひとつの案である.これらすべてをカバーするとはかぎらないし,これら以外の話題に触れないわけでもない.
- 権利論
- Donald G. Saari. Connecting and resolving Sen's and Arrow's theorems.
Social Choice and Welfare, Vol. 15, pp. 239-261, 1998.
- Bezalel Peleg. Effectivity functions, game forms, games, and rights.
Social Choice and Welfare, Vol. 15, pp. 67-80, 1998.
- Peter Hammond. Game forms versus social choice rules as modles of rights.
In Social Choice Re-examined, Vol. 2, chapter 11, Macmillian, Hampshire,
1996.
- 政府競合モデル(地方公共財モデル)
- Susan Gensemer, Lu Hong, and Jerry S. Kelly. Division rules and migration
equilibria. Journal of Economic Theory, Vol. 69, pp. 104-116, 1996.
- メカニズム・デザイン
- Dilip Abreu and Hitoshi Matsushima. Exact implementation. Journal of
Economic Theory, Vol. 64, pp. 1-19, 1994.
3.講義方法 採り上げたペーパーにかかわる練習問題を宿題として出す.宿題の解答案を授業のときに説明してもらう.自力でペーパーを読むのが困難な学生には,学部演習で講師が行っている講義を聞きにくることをすすめる.
4.テキスト 指定しない.
5.参考文献
- 永谷裕昭. 経済数学. 有斐閣, 1998, pp. 1-37 (第1章, 学習のための準備;
第2章1節, 集合, 関数, 直積; 第2章2節, 合成関数と逆関数).
これ以外については,渡される文献リストを参照.
6.関連授業科目 数理経済学,公共経済学,ゲーム理論.学部レベルのミクロ経済学またはゲーム理論の既習が望ましい.
7.単位認定方法 口頭試験・筆記試験・練習問題アサインメント・授業への貢献度などのうちのいくつかの組み合わせにもとづいて認定する.
三原麗珠