香川大学経済学部 専門教育科目1999年度
演習 I(ゼミナール;演習 II の情報をふくむ)
教官名 三原麗珠(経済学部) / H.
Reiju Mihara
4単位通年 火曜4, 5時限目(1440--1700くらい)をとりあえず予定
場所 三原オフィス
「どのようにメカニズム(契約や法制度などのルール)を定めれば,ひとびとの選好や権利を尊重しつつ社会的に望ましい状態を達成できるか?」〈規範経済学〉は価値判断にかかわるこの種の問題をあつかう.この演習では経済理論の先端的な成果のなかから,規範経済学の今後の発展に貢献しそうなものを選んで検討していく.権利論,政府競合(地方公共財)モデル,メカニズム・デザインなどのペーパーを採り上げる.
1.研究方法
採り上げたペーパーの位置づけと内容の説明とを講師(学生のばあいも)が行う.参加者全員の積極的な質問やコメントを歓迎する.定式化や主要な結果の理解と未解決問題の発見を重視する.理解を助けるために,簡単な練習問題を宿題として出す.補習をときどき行う.(たいていは時間延長の形で行う.)
演習II が開講されたばあい,履修者には課題(より高度な練習問題など)と追加文献を与える.(自力で見つけるほうがいい.)課題への答が論文になると思えばよい.数週間に一度は研究の進み具合を報告に来てもらう.演習 I のミーティングにも引き続き参加することをすすめる.
2.文献
ここに挙げたのは一例である.これらすべてをカバーするとはかぎらないし,これら以外の文献に触れないわけでもない.最新情報は以下の Web page を参照 [省略:このページです]
必要な数学はたとえば
の第2章1節(集合, 関数, 直積)第2章2節 (合成関数と逆関数) がカバーしている.できれば第1章 (学習のための準備) も読むといい.集合論のさらに深い話題に触れたもののなかでいちばん分かりやすそうなのは次の Web page である.特に第1部と第2部をすすめる:
「すべての……」とか「……が存在する」といった言葉の使い方を分かりやすく解説した,次のページも有用:
3.関連授業科目
経済数学とミクロ経済学の既習が望ましい.理解を深めるため,集合論(教育学部「幾何学緒論」として開講か)・確率論・協力ゲーム理論・非協力ゲーム理論 [消滅; 曽道智さんがすばらしいレクチャーノートを公開していました] など,フォーマルな(数理的な)科目の履修をすすめる.公共経済学・数理経済学・情報の経済学も関連が深い.本年度三原が開講している教養科目「権利論への数理的アプローチ (くらしと経済)」と夜間主「メカニズム・デザイン (経済学概論)」は,この演習であつかう内容の一部を,より初等レベルであつかっている.
4.演習 I 選考基準
あつかう予定のペーパーや日本語の関連文献を見て,参加するかどうか自己判断してもらう.トピックに関心さえあれば,自力でペーパーを読めそうになくても心配はない.必要におうじて特定の箇所を参照する意思があればよい.参加者は経済理論を本気でマスターしようとしているものとみなす.
5.演習 I 単位認定方法
口頭試験・筆記試験・練習問題アサインメント・演習への貢献度などのうちのいくつかの組み合わせにもとづいて認定する.
6.演習 II 選考基準
卒業研究にふさわしいある課題が存在し,学生・講師がそれぞれの立場でそれに取り組む意欲と能力と時間とを持つことを条件とする.集合論・確率論・ミクロ経済学・非協力ゲーム理論・協力ゲーム理論の5科目中2科目以上で優を取り,英語力 TOEFL 500 点相当以上ならば学生の能力に問題はないはずだ.
7.演習 II 単位認定方法
研究進展具合の報告をきちんとやっているかどうかで判断する.
8.卒業論文・卒業レポートの作成要領と単位認定方針
指導する.日本語または英語のどちらかに本文を統一するのが望ましい.
登録者3名で,「優」1名,「良」2名.その他1名いた聴講者の成績が出ていたとすれば,トップの「優」になるところだった.主要関連科目の成績はミクロ経済学Iが優1名良1名不可2名で(悪すぎる),非協力ゲーム理論(ゲーム理論I)が優2名可1名履修せず1名.
成績が決定した後,学生による授業評価(5段階の評価で5が「非常にそうである」3が「どちらとも言えない」)をしてもらいました.「総合的に判断して,この授業に満足している」という文にたいする回答は5が2名,4が1名,3が1名でした.
特に評価の高かった項目:
特に評価の低かった項目: なし.
特に高くも低くも評価されなかった項目:
成績が決定した後,このゼミの感想を受講生にメールで送ってもらいました. ほぼ共通した感想は,以下のようなところ:
以下,送ってもらった感想をほぼ全文引用します.ただし強調は私が追加しました.感想文の充実度は成績に比例するようです.いちばん熱のこもった感想を送ってくれたのは,学生4の若山さんでした.経済学の大学院進学希望者には,特に参考になるでしょう.
> このゼミへ参加することは、普通の講義では味わえない刺激を受け、軽い興奮状 > 態になるという決して退屈とは程遠いものであった。なのでこのゼミへは退屈なこ > とが嫌い、刺激的な時間を過ごしたいという人がくることを勧めたい。逆に、今ま > でどうりの生活を続けたい人には、ショックが大きすぎるかもしれないと思う。 > そのような刺激はただ単に新しい知識を得るという喜びだけのためではなく、そ > れらが厳密に論理的に繋がっていることによる美しさを感じることができるから > だと思う。 > > それを味わうためには、ある程度の知識が必要であると思うが、少なくとも、は > じめから数学にアレルギーがあると思っていて、記号を見たくないという人以外は > 味わうことができると思う。基礎的な集合や写像の概念がわかっていたら、講義が > 全く分からないという事はないし、これらの知識は講義の初めに学ぶし、それらは > たびたび出てくるので分かってなくても次第に分かってくると思うからである。ま > た時々でてくる証明は論理学がわかっていたら、より証明の意図、流れが理解しや > すいと思う。 > > またこのゼミで学問の最前線に触れた感触は強かった。ゼミで扱ったのは英語の、 > サーベイ論文を先生が日本語でまとめてくれたレクチャーノートが中心であったが、 > 論文を今まで読むという経験がなく、英語の文献を扱うこともなかったし、また勉 > 強する分野についての参考文献が日本語であまりないということとそれらが厳密な > 数学の記号で記述されているということで学問の最先端を勉強しているという気に > なった。 三原: レクチャーノートは日本語もかなりあったが,英語の方が多かったと思う. > それに伴い、頭の訓練にもなった。上のように扱っている素材が英語と数学であ > り、あまり普段使わなかった英語に普通に触れ、また数学を使ったパズルを解くと > いう点で頭の訓練になったと思う。またこのようなゼミでしたことを自分では絶対 > できなかったし、このような分野に学部のうちに触れることはできなかったと思う > > このようなゼミを開いてくれた三原さんは、他の先生や学生がなかなかしないほ > どの時間をこのゼミの準備に費やされていたと思う。先生が準備してくれたレクチ > ャーノートのおかげで、自分のレベルを超えた最先端の内容を扱いやすくなり、あ > とから復習も比較的容易になった。また先生はゼミの時間で、僕らが分からないと > ころをごまかしをあまりせずに丁寧に教えてくださったので、何とかついていけた > と思う。 > > 今後については、最後[数回]のゼミで学生の発表があったが、もう少しあってもよかっ > たと思う。効率性を考えると講義の方がよいが、僕は人に説明するのがとても不得 > 意であるので、その練習として時には発表の機会があってもよかったと思う。 > > しかしこのゼミに参加して、おそらく他のゼミでは味わえなかった経験をできて > とても満足している。 > > では先生、一年間ありがとうございました。また来期の前期の特別講義と概論Aも > よろしくお願いします。
> 授業のペースがかなり速くて、ついていくのに必死でした。(ついていけてなかったようにも思うが) > 僕は、高校時代数学をまったくしていなかったので(なぜかそれでも卒業できた)記号の使い方に、 > 最後まで慣れることができませんでした。記号の用例集などがあったらよかったとおもいます。 > 高校の数学と比べてみると、高校の数学は何しているのかさっぱり解らなかったけど > 権利論もメカニカルデザインもなにかイメージがつかめたので > 高校の数学の知識はあまり必要でないようにおもえます。 > それよりも大学にはいって初めてのタイプの授業なので、そういうところで > すこし戸惑いを感じました。1,2年次にもこういうタイプの授業があったら > もっとスムーズに 授業できるのではないか。と思います。 > 僕自身が授業を終えて、いい逃げのような感じはあるのですが、 > 授業中はイメージが掴め理解できたと思うのですが、いざ1人でやってみると全く解けない > やりかたが解らないということがしょっちゅうだったので > 毎回、問題を解いたほうが理解が深まる様な気がします。
三原: 解答が5行の問題だったら最低50分は考えていろいろ試みるべきだね. そのくらいは考えたうえでないと,たとえ説明を理解できても,ものには(自分で できるようには)ならない.
> 後、日本語でやってくれると理解しやすかったと思います。復習するときに、英語より日本語のほうが > 理解しやすいし、英語は慣れていないので、日本語で言われた時より単語とイメージが結びつきにくい > ようにおもえます。 > 抽象的な思考は普段生活していると意識して使わないので面白かったので、最初にラーメン屋とカレー屋 > うどん屋のような現実と結びつきやすい例をたくさんしてくれると > もっとやりやすかった様な気がします。 > 授業の最後のほうは、理解不能とまではいかないけど、それにちかい状態で復習しようにも > 英語だったのでどこにかいてあったか探すのにも根気がいり > かなりつらかったです。もし、[学生4]がいなかったら授業にでてもさっぱりわからなかったような気がします。
三原: よく分かっていて他の学生を助けられるような学生が一人でもいることは,貴重だね.
> 僕自身は経済学科に入って間違いではなかったとおもいますが、やはり[学生4]や[学生1]のような > 数学のできる人は必要だとおもいます。 > この授業は、数学の知識のない人が、一人でやろうとすると、やりかたや理解の仕方が全く分からない > (僕がそうなので)のでお勧めできません。っていうか絶対無理なきがします。 > かといって数学の苦手な人が面白くないか?といわれると数学の苦手な人にも面白く感じる部分が > あると思います。メカニカル[←ちがうってば]デザインは抽象的すぎるので、権利論だけにしたほうが > そういう数学嫌いの人も参加できると思います。 > 証明のしかた等はよくわからなかったけど、教え方がうまいのか数学的なことを > 感じることがあまりなく数学という苦手意識がさきにたっていやになることもなかったです。 > 三原先生は温和で、高校のときの高圧的数学教師をおもいだすこともなく > 数学のイメージが変わったと思います。 > 大学で学んだという実感のわく授業でした。一年間ご指導ありがとうございました。
> シラバスや友達の話等から三原ゼミは取りたくないゼミの中の一つでした。しかし、自分の >希望したゼミに入れずに最後の最後で三原ゼミに入ることとなり、最初は香川大学のゼミの決 >め方等に対して不満を抱いていました。しかし、先生に会い、自分の中でイメージしていたの >と違い、結構いい印象でゼミの内容もなんとか自分にも理解できるようなきがしました。ゼミ >が1回目から本格的にはじまりゼミの終わる時間も他のゼミに比べ1時間ぐらい遅く、予習を >しなかったせいもあって苦痛の時間でした。それでも先生の講義をきいているときは理解する >ことが出来ました。そして、次からは予習と復習をきちんとしてゼミに出席しようと家でレク >チャーノートをみるがあまりできなかって、次は次はと思っていたが、先生の自由なスタイル >と自分の意志の弱さに負けてしまい前期が過ぎ、後期が過ぎと1年間のゼミが終了してしまい >ました。こんな僕が言うのもどうかな?と思いますが、ゼミの半分を先生の講義後半を与えら >れた課題をゼミ生で発表する時間というようにしてもらえればよかったと、そうすればもっと >勉強していたと最後の講義で感じました。(課題を与えられてはじめてやるのは大学生として >は恥ずかしいが) > 最後に、ゼミを通し、このゼミを取らなかったら、学ばなかっただろう新 >しい分野の経済学を学べ、男ではあるが[学生1]、[学生2]、 [学生4]の三人の友達、そして三原先生と >いう素晴らしい先生に出会えていいゼミだったと改めて実感しています。メールを出すのが遅 >くなってしまいすみませんでした。1年間どうもありがとうございました。
三原: なんの準備もしないで他教員の演習IIの面接に行って「三原ゼミで何を学んだか」と聞 かれて答えられなかったそうじゃん.心配するな,じつはその質問はかなり高度なんだ.哲学 科の学生に「哲学とはなんですか」と聞くくらい.日本人に「日本はどんな国なのか」と聞く くらい.[学生3]さんも自分で言ってるように,就職活動するための勉強になったと考え ればいいよ.今後面接を受けるときは,その程度の質問は予想して準備しておいてね.しかし 2月25日の飲み会で,「たとえ演習 II を取らなくても,大学で勉強したといえるものを持っ て卒業したい」とか言っていたよね.しかも「メカニズム・デザインは充実感があったので, もう一度勉強し直したい」とも.何が起こったのだろうと思ってしまった.だけど終わったこ とにはこだわらずに,前にすすむといい.メカニズム・デザインを勉強するのも悪くないが,ミ クロ経済学の単位くらいとっておくのもおすすめだ.
> 以下、三原先生の挙げられていた質問に答える形で感想を述べていこうと思います。 > > ・どういう人にすすめない? > 英語を拒絶している人、抽象的思考を嫌う人等にはすすめられないものと思います。 > 私の個人的意見として、英語を避けている人はそれだけで学問の最前線へ行く資格を > 失っているのではないでしょうか。 > > ただ、英語を拒絶している人でも、この講義を通じて、経済学で用いられている英語 > の殆どはたいして難しいものではなく、一流のジャーナルに掲載されてある論文も、 > 内容の理解はともかく、読み難いことはないということを知る事ができると思います。 > 実際、私もそうだったように、経済学で使われている英語には難解なものは少ないと > いうことを知らない人が多いと思うので、その辺りの事情を知ってもらうために、敢 > えて英語の講義ノートを使ったのはよかったです。そのため、私は日本語でやるより > は英語でやる方に賛成します。私は、この講義で英語文献を読んでいくきっかけをつ > かみました。 > > あと、これは単位が欲しいだけの人には無縁の講義でしょう。おそらく。 > > ・どんな数学の能力が必要か? > この講義を受ける前、最前線の研究は高級な数学的表現で満ち溢れており、数学の鍛 > 練を積んでない者にとっては、到底手の届かない所にあると思っていました。しかし、 > この講義を通じて、それほど高級な数学を知ってなくとも、最前線の一端を覗くこと > ができるということが解り、それは大変有益なことでした。 > > この講義では、初等的な集合論の部分を取り上げた結果、自分がいかに今まで曖昧に > その部分を理解していたか、また経済理論において、その重要さをも知ることになり > ました。経済数学で、この集合論の初等的な部分は是非とも触れておいてほしい気が > しました。 > > この講義では必要とされるのは、数学の能力というよりは、抽象的議論を注意深く辿 > る忍耐力だと私は思います。理解しようという忍耐力さえあれば、数学の予備知識の > ない人でも十分理解可能だと思いました。 > > ・権利論とメカニズム・デザインの扱い > <数理的権利論> > 具体的な部分と抽象的な部分を織り交ぜていたため、それほど抽象度が高いという気 > はしませんでした。しかし、第5章は幾分抽象的だったと思います(Hammondの定理の > 証明など)。 > > この講義は1年生の教養科目としても提供されていましたが、これを1年生の頃に聴 > けるというのは何と幸せなことだろうかと私は思います。1年生の中に、最前線を垣 > 間見て喜びを持ったものは何人いたのか気になります。 > > この数理的権利論は経済理論に興味ある学生だけでなく、倫理学、政治哲学等に興味 > のある地域社会の学生なんかにもすすめれる内容のものだと思います。 > > <メカニズム・デザイン> > [べつの授業でやった] > Mooreの逸話でメカニズム・デザインについての具体的なイメージを持てたため、あ > との抽象的な問題へは接近しやすかったです。ただ、もう少し練習問題が欲しいとこ > ろでした。Mooreの逸話がなく、いきなり抽象的な部分に入っていくと、もしかした > らメカニズム・デザインの概念がわからぬまま、ただただ展開を辿っていただけになっ > ていたかもしれません。 > > また、両方の演習問題として、簡単な証明問題を含めていたのはとてもありがたかっ > たです。 > > くり返し述べるようですが、この講義を通じて、私は初めて英語の理論的論文に触れ > ました(英語の学部生向けテキストは読んでいました)。それまでは、最先端の英語論 > 文に触れるのは、大学院生になってからだとばかり思っていたので、このような講義 > が開講されていなければ、学部時代に英語文献を読もうという気は起きていなかった > だろうと思っています。特に、この学部生時代に、私が最も興味を持つメカニズム・ > デザイン関連の展望論文に触れておけたことは、私にとってとても有益なものでした。 > 三原先生、とても感謝します。 > > ・経済学科[には]こういう人が入学するといい > 経済理論を本気で学ぼうとしている人です。これは、来年度開講の「経済学概論A」 > で、そういう意志をもった学生が何人いるのかある程度測れるのではないかと思いま > すが。果して、何人くるでしょうか。 追加説明: >「経済学科はこういう人が入学するといい」の答えでもあり、「三原先生のゼミに入 >るといい人」の答えでもあります。1年生で経済理論を本気で習得しようと考えてい >る人は、「経済学概論A」に顔を出すのではないでしょうか? > ・学問の最前線に触れて感触は強い? > とても強い。数理的権利論、メカニズム・デザインのどちらも、中級のテキストブッ > クでは見かけることはなく、また邦語文献が存在しない90年代の成果を紹介されてい > た点など。 > > ・頭の訓練になる? > 内容はもちろんのこと、演習問題も考えされられる問題が多かったため、いい頭の訓 > 練になりました。 > > ・こう変えるといい > メカニズム・デザインでは、不完備情報の部分が少なかったのが残念です。時間的な > 問題もあったと思いますが。しかし、これは来年度開講の「メカニズム・デザイン」 > で克服される点ですね。 > > ・講師について > 講義が鮮やか。これはミクロ経済学の講義の時からうすうす感じてましたが、その頃 > はあんまり確信は持てませんでした。しかし、演習、教養、夜間と[三原の授業に]出席し、また他の > 教官との講義とを比較した結果、やっと確信を持てるようになりました。 追加説明: >[講義が鮮やかという意味を] >上手く説明できないのですが、宣教師みたいというのは私が表現したいものにやや近 >い気がします。 > 三原先生が居なければ、経済学の面白さをこれほど知ることがなかったのではないか、 > と思っています。ミクロ経済学、数理的権利論、メカニズム・デザインと私の興味を > 掻き立てるものばかりでした。
三原: 単位にもならないこの演習や夜間主科目をふくめ,僕の出した4科目の授業に出席したことに なりますね.「ミクロ経済学 I」のひとつの目的は経済理論のファン(マニア)を発掘・育成する ことでした.若山さんの例は,その目的が達成できたことをしめしていると思います. 入試のときの監督のひとりも僕だったそうですね.ながいおつきあいでした. > 3年生以下の経済学部生で、三原先生の講義を直接受けたことのある学生は今のとこ > ろ10人以下だということに最近気がつきました。もったいない。 > > あと、昔のシラバスか何かで、講義ノートを作るのが苦手と書いてありましたが、今 > では到底考えられません。 > > この大学に入って間もない頃、三原先生の執筆したミクロ経済学のシラバスがとても > イキイキとしていたのに感動しました。その後も、とてもイキイキとしたシラバス、 > ハンドアウト、そして、HPを楽しませてもらいました。それにしても、今年度の教養 > 科目のシラバスの件 [全学教養教育委員会が数理権利論のシラバスを問題にして, > 三原がそれに応じて公式版シラバスを書き換えた件] はとても残念です。 > > 経済学概論Aのシラバスで、 > 「あなたは宣教師のような仕事がふさわしい.」---ミニ教団を率いている伯母 > という箇所は大いに笑わせてもらいました。 > > これは講義の感想とは関係ないのですが、最近帽子を被ってるのを見かけません。ミ > クロの試験監督時に、帽子を被っていたのを見れたのは今にして思うと貴重な体験だっ > た。 > > 永作博美が好きだとある人から伺いました。 三原: その子,名前知らないけど.ドラマに出てたのを観て,僕がある女子学生にその子の名前を 訊ねたらしい.だからそうなのだろうな.山口もえだっけ,イタリア語講座に出てくる子, も話し方とか好きだな.あと,稲森いずみだっけ,ネコと元カノに似てていいわ. ここに挙げたみなさん,このページを読んでいたら,メールちょうだいね. お返事ぜったい書くから. > この間、蟹[すきコース]を食べに[甲羅本店に]連れていって下さり、ありがとうございました。
Tue, 4/20/99
1440--1750.間に10分程度の休み.U欠席だが,内容は授業後に説明.
配付:レクチャーノート「権利論への数理的アプローチ」第1章と第2章途中.
文献:
文献:永谷経済数学 中表紙,i-v, ch. 2 (pp. 23--37), pp. 317--9, 奥付.
佐伯 中表紙,i-viii, 8-10, 55-71, 111--161, xiv, 奥付
説明:
レクチャーノート「権利論への数理的アプローチ」の
第2章「集合と写像」の選好プロファイルのあとの演習まで(当時p.14).
4/27/99
lecture:
ノート pp. 15--16 数学.
権利論ノート第1章にもどる.
1440-1710.
5/11/99
情報処理センターのガイダンスが6/1にあることを伝える.
これまで出席していたU, W, にくわえて,T も夜間主メカニズムデザイン
へ出席する意思を表明.TのほかYにも
メカニズムデザインレクチャーノート990507を渡す.
配付: 権利論ノート pp. 18--23
第3章センの定理の証明 Case 1 まで.
1440-1650.
5/18/99
配付: 権利論ノート pp. 22-24
数理権利論スライド「自由と効率性: リベラル・パラドックス」pp. 7--12.
Lecture: 1440-1700.
権利論ノートpp. 22(Sen's theorem)--24 (Saari).
Exercises p. 20 I¥cup P=R までカバー.
5/25/99
配付: 権利論ノート
-p. 24 誤った定式化?section 3.4--
p.27 Exercise in finding a transitive prfile that results in
a cyclic social preference.
Lecture: 1440-1730 Same as above.
Test: p.~19 ノートの演習.quantifiers.
演習解説:すべて(Section 3.4まで)カバー.
6/1/99
休み(情報処理ガイダンス)
6/8/99
配付: 権利論ノート(990601)pp. 28--31.
権利論ノート(990608) pp. 31--33.
lecture: 1440--1630. pp. 28--33.
Quiz: the four exercises added to Sections 3.2--3.3
6/15/99
配付: 権利論ノート(990615)pp. 34--38.
(5章ゲームフォームと提携のパワー,5.3まで.)
lecture 同じ.1440--1630.
6/22/99
配付: 権利論ノート(990622)pp. 38--41.
(5.4 Gibbard のパラドックス: 権利体系の内部整合性)
lecture: ノート+ proof of Hammond's theorem
1450--1630.
Special session: 1240--1440 peleg98 Sections 1--2.
attended by U and W. No notes available.
6/29/99
配付: 権利論ノート(990629)pp. 34--50
(5章 Section 5.5 まで.)
lecture: 5.4.2 非協力ゲーム理論の予備知識は省略.
5.5 ゲーム・フォームによるアプローチをカバー.
1445--1530.
7/6/99
配付: 権利論ノート(990706)pp. 49--52 plus Figure 5.9
経済学科アンケート実施.
lecture: Setion 5.6 拡張された選択肢.
Section 5.5 の定理の証明.
1510--1700.
7/13/99
Minimal Liberty を Minimum Liberty とするミスが多数あった.
配付: 演習問題正解(手書き)
(参照ページは v990711 による.
ただし配付分のページ数も括弧書きでしめしている.)
夏休み: メカニズム・デザインのレクチャー・ノートのナッシュ遂行までと
ナッシュ遂行理論のところに目を通しておくこと.
Sections 1,2,3,11 also, 9,10,12,13 if possible.
The last formal class meeting in the first semester. 1450-1700
Lecture: The following Exercises were discussed (page numbers based on
v990711):
p. 33 #2 Borda rule.
p. 38 #2, C(A,R)=A violates Pareto.
p. 42 #1, the case i and j have nonoverlapping rights relations.
p. 44 #1, Two groups cannot have the same pair in their rights relations.
p. 51 #1, deifference between alpha- and beta- libertarian game forms.
p. 51 #2, an example of a game form that is not libertarian.
10/5/99
数理権利論の宿題(教養科目の試験)の解説.
y 提出せず,t52, u83 (-10), w91 (inclass).
1450--1700?
10/12/99
Peleg98 ほぼすべてカバー.
1500--1800
uw2名限定の「補講」
10/19/99
休講.
10/26/99
maskin-s99, Implementation theory Section 1 Introduction
1500--1640
11/2/99
大学祭により休講.
11/9/99
1450--1700. maskin-s99, Implementation theory Section 2.1
For the first time in my teaching, I gave a complete proof of
Maskin's theorem on the implmentability of a social choice rule.
The proof is well written and the cannnonical game form fairly
understandable. Now W is ready to say to Saijo that he has learned
some mechanism design.
11/16/99
1450--1745.
maskin-s99, Implementation theory Sections 2.2--2.9.
Section 2 is done.
The notion of essential monotonicity is not easy to grasp.
11/30/99
maskin-s99, Implementation theory Sections 3.1--3.5.
1450--1815.
仲見世で鍋料理.その後シェリーズバーに.
12/7/99
maskin-s99, Implementation theory Sections 3.6--3.8
1450--1720.
12/14/99
maskin-s99, Implementation theory Sections 3.9--4.2.
1510--1800.
12/21/99
maskin-s99, Implementation theory Sections 4.3--4.4 (end).
T and Y made presentation.
1510--1750.
1/11/00
1530--1730.
U presented Moore Section 5.2 about the Abreu-Matsushima
maechanism.
1/18/00
1450--1710.
T and Y made presentation.
2/25/00
ゼミ生4人,そして彼らに誘われた麗珠,恵那桜でちゃんこ鍋.その後,吾割安で飲む.
きょうはずっと笑い続けていた.三原ゼミはすばらしく充実していたとか,教養科目は
レベルが低すぎて学生に悪い影響を与えているとか,やたら勉学の話をする学生たち.
三原麗珠ホームページへの熱狂的な感想も多かった.特に写真集にある
「セクシャルハラスメント規制の件で学長を罵り 満場の拍手喝采をあびる三原麗珠」
という写真タイトルは,その光景が思い浮かぶということで受けがよかった.
三原麗珠ページの隠れファン(特に麗しき女性たち)よ,恥ずかしがらずに出ておいで.