香川大学経済学部 2004年度 夜間主
演習 I 「公平の理論と実際」 (Equity in Theory and Practice )
三原麗珠 (香川大学 マネジメント研究科)
4単位 第1, 2学期 木曜 6, 7 時限目あたり (1800-2140 の一部) 場所 三原オフィス
効率的な資源配分方法としてもっとも優れたものは価格(市場)メカニズムだろう.しかし私的機関や公的機関が,価格メカニズム以外のやり方で「だれがなにを受け取るか」を決める場面は意外と多い.ひとつだけある腎臓をどの患者に人工移植するか? 新しい家に上下水道をひくとき,どれだけ費用を負担してもらうべきか? 企業間の合弁事業で利益をどう分け合うか? 財産の中身について異なる好みを持つ相続人にどう財産を分けるか? 比例代表制の選挙でそれぞれの政党にどれだけ議席を配分すべきか? こういった日常起こる具体的な問題は,「公平」の確保という理由により価格メカニズム以外の決め方で解決されることが多い.
では「公平」とは何か? このコースでは,実際に起こった具体的なケースをとりあげ,それぞれのケースで資源配分の「公平」の意味するところを,体系的分析によって明らかにする.その分析の背後にあるのは,抽象数学をもちいた現代的アプローチである《公理的方法》とよばれる強力な数理的手法であり,社会選択や協力ゲーム理論といった分野で広く用いられている.それぞれの公理は,たとえば「配分基準以外の違いで個人を差別しない」といった配分ルールにかんする要請を表現している.
一部「虫食い」(空白)にした講義ノートを配付して,講義形式ですすめる.テキストにほぼしたがい,本文に重点を置きながら講師が内容を説明して行く.参加者全員の積極的な質問やコメントを歓迎する.講師からも受講者に質問する.さまざまな公平の概念を,具体的なケースの分析をとおして理解する.それらの分析の背後にある数理的理論を説明した,Appendix (The Mathematical Theory of Equity) のかなりの部分は割愛することになるだろう.時間延長の形で補習を頻繁に行う.
参考書については,マネジメント研究科の「資源配分の公理的分析」の講義ページを参照.
経済学概論,管理科学総論,数理経済学,公共経済学,統計学.
あつかう予定のテキストを見せて,参加するかどうか自己判断してもらう.競合するばあいは関連科目の履修履歴と履修計画で判断する.三原の Web ページにある教育方針も参考になるだろう.
口頭試験・筆記試験・練習問題アサインメント・授業への貢献度などのうちのいくつかの組み合わせにもとづく.
卒業研究にふさわしいある課題が存在し,学生・講師がそれぞれの立場でそれに取り組む意欲と能力と時間とを持つことを条件とする.数学が苦手な学生や英語力TOEFL500点相当に達しない学生は,演習 IIは避けた方が無難かもしれない.
研究進展具合の報告をきちんとやっているかどうかで判断する.
普通の演習とちがい,演習 I は講義形式なので学生にとっては楽かもしれない.ノートを準備するので,英語力の不足はそれほど問題にならないだろう.数理的な理論をあつかった Appendix は重視しないので,数学力の不足もそれほど問題にならないだろう.ただ,時間延長を頻繁に行うこと,欠席するとひじょうに不利になる(夜間主のばあい欠席者への補講をするのがむずかしいため)ことを了解した上で参加して欲しい.
評価決定後にメールで送ってもらった.到着順に掲載.
講師 欠席がゼロだったのは特にありがたかった.反応も悪くなくて教えやすかった.とりあえず一定レベルを たもった上で予定の本をこなせたのはみんなのおかげです.少しはルールづくりに関して批判的・建設的 な視点を持てたかな.これからの人生にいかして?ください. 学生 B2 三原先生の印象ががわりと変わった。一年のゲーム理論の講義では先生は意味不明な人だと思っていたが、 ゼミでは、おちゃめな部分もあり、楽しく講義を受けさせていただきました。 講義の中身‥ 難しかった!! もうすこし分かりやすく、例を使ったりしてくれたら、知能が低い私でももうすこし理解したかなぁ〜と思 います☆ とにかくゼミは大変で理解しにくかったけど、メンバーさんがよかったので楽しかった!!!!! 学生 B1 簿記や市場経済分析と違い、曲折的に世間につながる学問だと思った。なので、市場の動きなどを学びたい 人には向かないかも知れない。授業は教科書が英語であったのを除けば、勉強して分かる範囲だと思う。教 授は学問的教養があるので、個人的に話すには面白いかも知れない。 学生 A1 テキストに沿って「定義や解釈を説明し具体例を示して理解させる。」という最も典型的な講義パターンであり、 またそのための講義ノートやハンドアウトといった講師としての事前準備は十分なレベルであったと思う。 私自身は実社会のおいて非分割財の公平配分をめぐって日常的に奮闘している。(詳しくは言えない。) よってこの講義では、私自身の実体験に基づく「非分割財の配分に関する公平性」との相違点について 理解を深めることに主眼を置いていた。講義を通じて相違点ではなく不十分な点をいくつか発見でき、 私の身の回りで横行している一定の慣習ルールをより公平化するヒントを得ることができた。 私はこれまで「学問は現実離れしている。」と軽視してきた。しかし、分析の際に前提とした仮定を現実と 照合して、仮定を修正していくことが、「現実を学問化すること。」に繋がると感じた。 また公平配分は 見えない競争であり、現実との照合は日本独特の社会慣習上で困難なケースも多いだろう。 講義内容のレベル(理解できるかどうか)は低い。受講生のレベルに相当な配慮をして頂いたと感じる。 本来、英語・数学の一定レベルを問われるべき内容であるが、その点も十分な配慮がなされていた。 (集合論の記号はカバーしておきたいところだが。) 最後に。講師に感謝申し上げる。選択肢の少ない夜間主演習において、非常に興味深い演習と巡り合えたことは 偶然にせよ有難いことであった。また、半ば私が強引に誘った5名を暖かく見守って頂けたことにも。 また、7人全員が出席率100%で演習を終えられたことにも感謝したい。TAのMさんにも感謝申し上げる。 学生 C1 今回のゼミは三原先生にとって、まぁまぁ満足するものだったそうですが、私は非常に満足しています!! 理由としては、仲のいい友達と一緒にゼミを受けれた事や単位が取得できた事などイロイロありますが、何 より三原先生のゼミを受けたという事自体が最大の理由であります。このゼミは、私から始まり ZZ 家末代 まで受け継がれることでしょう!!(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)だから、良にしてくださいぃぃぃぃ! 学生 A3 今回ゼミをうけて純粋に理論だけを学ぶとすれば英語のテキストはあまり良くないと思います。英語は先生 が多少訳してくれても日本語にくらべやはり全体的な理解度は落ちるのではないでしょうか。日本語ならニュ アンスでイメージできる部分も英語では出来ない。理論を学ぶとすれば英語を日本語にしてその分理論のレ ベルを上げる方が効率的だと思います。 学問的には面白いと思います。物事を論理的かつ合理的に思考するひとつの手段として興味はわきました。 先生はみんなにも気さくに付き合ってくれながら、ある面ではとても尊敬できるところもありました。ただ 特定の[女子]生徒(HP用(笑))を露骨に気に入ってるオーラを出してたのは本気なのかどうなのか?(笑) ただし、しつこい様ですが自分が思っているより先生の評価が低かったのは残念でした(笑) 学生 A2 1年間、ゼミを受けて、やっぱり内容は難しかったです。1年のときのゲーム理論ともまた違っていたし、 今まで触れたことのないような事だったので、慣れるまでには時間がかかりました。でも、少人数というの もあったし、みんなと友達だったし、その点ですごいやりやすかったです。 ちゃんと単位もとれたし、あと、授業でやった内容はもう忘れかけてますけど…(^^ゞでも、勉強した感が とてもあります。これからどこかで役に立てられればなと思います。 1年間ありがとうございました。 学生 C2 1年間お世話になりました。自分では自分のことを理系だと思っているので、講義はなかなか面白かったで す。特にマッチングのところはかなりためになりました(笑)。講義の内容はまだまださわりといった感じで したが、学問としては高度なものなのだと感じました。テキストもノートも英語、英語が苦手な私にはつら かったです。英語なので復習もしずらかったですが、ノートは良かったです。というかないと理解できなかっ たと思います。数学が好きなあるいは得意な理系の人間にはお薦めしますがそれ以外の人には薦められませ ん。講師はいかにも大学の教員といった感じでとても良かったです(他意はありません)。
授業開始前に以下をここに書いていた: 「お元気? 2002年度の経済学概論 A でゲーム理論を教えた三原麗珠です.その科目の合格者なんか来てくれるとうれしい. 人数が1人から4人の間だったらまちがいなく三原研究室でできますね.それ以上だったら……それは考える必要ないかな. 新学期に会いましょう.」
Discussion: 1820-1940, 1950-2120. 学部受講生7人全員+大学院生参加. Text (Young 1994, Equity: In theory and practice) Chapter 1, all sections. Notes. 数学的なことはほとんどない.ノートの英文をほとんど読まなかったので,3時間でできた. 最初の章ということでいくつかの例以外はたいくつかもしれない. 最難関は Section 9 の Consistency principle だろう. 来年度の GSM (マネジメント研究科) の授業では,例以外の説明を大幅に削ることも考えられる. Comments: 学部生は全員が三原の2002年度の夜間主授業経済学概論 A に出席した賑やかなひとたち,TT,HT,SI,YY,MY,HO,YK. うち4名が合格で,3名が不合格だった. (その授業の対受験者合格率は 32 パーセントで,対登録者合格率は 21 パーセントだった.) その試験での彼らの点数と成績は,上から 87S (その授業の最高点), 61C, 61C, 54C, 35X, 27X, 17X. 少なくとも4名は2002年7月26日の試験の直前に僕のオフィスに来ている. 学部生の6名は3年生,1名が4年生.5名が男性,2名が女性.選択できる演習は最大3つで,全員が第一希望で来た. テキストの本文をあつかう全員対象のゼミは11月頃には終えられるかもしれない. 数学 Appendix を全員にたいしてやるか,希望者だけにやるかは,未定. Appendix を外した方がいいと意思表示したのは TTと HT 以外の学生. Appendix をやりたいかどうかは,一度やってみないと分からない面もある. 少しやって考えたい. 演習 II の希望は TT (英語について尋ねた HT は?).
1810-1850 は自己紹介; 授業は 1850-2100.欠席なし. Text (Young 1994, Equity: In theory and practice) Chapter 2, Sections 1-4の impartiality (page 32) まで.配布したノートでは5頁の Consistency の前まで. はっきり言って,ノートの準備はたいへんだった.TA にはじめて LaTeX 入力の手伝いもしてもらったのだが. ●腎臓配分のUNOS公式で,Sensitization (ある種の抗体を持つことによる拒絶反応の起こしやすさ) が高い患者ほど, 優先順位が高くなることに一部の学生が混乱してえらく盛り上がる. これは人口一般にたいする拒絶反応が高い人は不利になるから,ハンデを与えるという話. 一方,Antigens Mached (抗原の適合度) は特定の患者と特定の腎臓とのあいだの適合度をいっており, 人口一般にたいするものではない.ちがいが分かるかな. ●UNOS公式で,待ち時間の点数化方法にたいして TT が早くも疑問を呈する.まだ,パラドックスも説明して いない段階だったと思う.じつはパラドックスが起こるのはその,待ち時間の点数化方法に原因があるのだが, 次回ということで. ●Genaral Principle のセクションは,脚注 10 の数学モデルをノートにもっと取り入れた方がよいようだ. 改訂版ではそのようにした. Other Comments: -前回授業分のコメントに追加した. -携帯電話からメールを送ってもらった.つごうが悪くて欠席するときは,あらかじめ仲間に連絡し,僕にもメールを. -欠席したばあい,ノートをドアのボックスに入れておくので取るように. -最初は自己紹介など.彼氏がいるとかいないとか.むにゃむにゃ. ×××ちゃんにいるとしたら,その彼氏はロリコンにちがいないとか. 《えっ,ロリコンとつきあってるの……》 といった個人的にショッキングな話があったかもしれないし,なかったかもしれない. (いや,なにも具体的な話は聞いてませんよ.) -多分ずっと彼氏がいないわけでもない H が岩月著『ずっと彼氏がいないあなたへ』を貸せというので貸した. 「ずっと彼氏がいないなら,いつでも相談に来なさい」といったら,「はい,先生」 とか答えてやって来たりするんだろうか. -研究費で買った下着とか少女とかの芸術本 (写真集) を学生がみつけたりで話が拡散. -じゃあ僕には恋人いますかとか聞く女子学生.片思いの相手が香川の外にいるよと.その人は理想ダヨ. でも,高松にも恋人にしたい子が3人くらいいるかも.いずれも25歳越えてないと思う. -タイプの女性はとか,その年齢の下限はとかの質問も.「中学生でもかわいいと思うこともあるし, ここにいる女子学生も中学生といわれても分からないかも」とか適当に答えた.(指摘があったように, 区別できないのは歳なのかもね.) ま,そう答えはしたけど,中学生じゃかわいいとは思っても, 恋人にはなりえないだろうな.高校生相手になら,真剣な恋はできないことはないような気がしないことはないけど. -僕「2年前に夜間で教えたときは,いくらかはかわいい子もいたが,この前のゼミ選考のときにはなんか あんまりかわいい子いなかったような気がする.」 S「大人ぶったお化粧をするようになってだめになった.」 -「夜間でいちばんかわいい子はだれなの?」と問題提起をすると,真剣に議論を始める学生のみなさん. おいおい,ここにいる二人ということにしておけばいいじゃん. とりあえず大人ぶったお化粧でない子が最低1名いるじゃないか.ハッピーエンディングに誘導するつもりが, 思わぬ方向に行ってしまった! しかも人名出しても僕にはぜんぜんついていけない. -「先生は有名なんですか?」という質問には,例の「コンドルセ,ボルダ,アロー,そしてミハラ?」のお話. 我ながらいんちき臭すぎる. -他にも名前が挙っていたけど,学者が「有名」だというとき, +地道な研究でその専門家仲間には知られている (経済学の場合,そこそこ以上の国際学術誌に論文を載せるのが条件) +テキストの著者として有名 +一般書の著者として有名 +テレビや新聞によく登場する +ホームページが有名 といったパタンがあって,学者間では最初のやつが評価が高い.評価が高いが,そのことを 知る仲間自体が限られているから,あんまり有名ではない.よって,有名になるためにかどうかは知らないが, 他のパタンにも挑戦して首尾よく成功するすごい人も少しいる.あるいは地道な研究ではあんまり成果がなくても, 他で有名になる人も多い.僕のばあいは,とりあえずホームページで有名だから,あとは地道な研究をやれば いいかなと思ってる.金銭的には最悪なパタンだけどね.
1810-1940, 1950-2110. 欠席なし. Text (Young 1994, Equity: In theory and practice) Chapter 2, Sections 4-6. ●作成途上の演習問題を配布.優か秀が欲しい人だけがやればいいといったら,ラッキーと喜ぶ学生たち. 去年の外書購読のときは,良でいいなら発表しなくていいと言ったら,3人中2人は発表に挑戦したのだけど. TTは挑戦するらしい. ●セクション 4 General Principles の大部分,集合の記号が出てくるところでは学生は静か. その部分は記号についていくのが大変なのだろう.数学付録をやりたいと言ったのはたぶん TT ひとり. ●セクション4でも具体例になったり,セクション6でボルダルールやコンドルセルールなど具体例になると 発言が増える.こちらからの質問も具体例をもとにしたとろが多かったためもあるが. ●Consistency の説明で,一部のひとが外れるとき,何も持っていかないで外れるというストーリーは伝わりにくい. 何も持っていかないのにどうして決定をやり直すのだという指摘を TT がした. ●ノートの改訂版では,consistency の数学的定義や説明を大幅に追加. これだけやればAppendix A.1 と A.2 は不要かも. ●セクション6の社会選択は1時間ちょっとでカバー. この章を今日終えるのは無理かもしれないと思っていたのだが,案外簡単に終わった.(準備の時間は膨大だったけど.) アローの定理の細かいところを正確にすると本当は大変なのだが,この程度にしておこう. ●授業中にホワイトボードに書いた Indpendence (IIA) の例に関して TT が鋭い質問. ある選択肢が社会選好でトップに来ない場合も許した表記をしたのだが,必ずトップに来るはずだと指摘. Unanimity を仮定すればたしかにそうなる. Other Comments: -SI は五島列島に行って来たらしい.高松から福岡へのプロペラ機から荷物が落ちてくるとか, お客の体重を考慮して席替え配分をするという話を TT. -HT に貸した本が知らない間にちがう場所に戻って来ていた. HT は著者岩月がこの大学の教授であることを知らなかった.YKは知ってて,何か言ってた. -栗の木の下ではあんパン,桜の木の下では何パンだっけ,を食べたのはどうしてだという 問題が回って来た.誰が書いたのだ.高松と東京とでちがう女性といいことしました,どうしてでしょう? といった感じの問題だ. 2種類買って一方を食べたから,べつ木の下では残った一種類を食べたということでは駄目なの? -HT は来週,なにか言えない事情があって来れないという.言えない事情では本当は良くないんだけどな. しかも土日にも補講を受けられないと来たので,ちょっと困った.少し考えて,金曜に 「来週は希望者向けに数学付録をやるけど,そこは聞けなくてもいいよね」と電話. そういうことで次週は希望者だけを相手に少し高度なことをやると,みんなにメールした.
1815-2000, 2020-2130. 今回は希望者のみ出席: 大学院生と TT と YY. Text (Young 1994, Equity: In theory and practice) Appendix A.1, A.2. 169-171ページと174-5ページ.Chapter 2 の Section 4 のノートの最新版も 参照しながらやった. 演習 II を希望している TT は,関数の集合論的な表現などをのぞいて, 理解して欲しいことはきちんと理解してくれた.YY も Theorem 1 の証明を ほとんどフォローするなど,予想以上に健闘. Other comments: 欠席者のひとりから TTにメールあり.昼間大阪で会ったそうだ. 「授業どうですか.私はこれからはじけます」とかなんとか. どうはじけるか知らないが,すごく気になるなあ.出席者はいろいろ煽るし.
1815-1935, 1950-2100. Text (Young 1994, Equity: In theory and practice) Chapter 3, Sections 1-8. ●ノートの単語に添えた和訳はあったほうがいいという意見が強い. ●日本語だったら,この科目でやってることは中学生並みと TT.ノートが英語だからむずかしく感じるだけだという. マネジメント研究科の対応科目ページに「やさしくすることも,むずかしくすることもできる科目」と書いたのが,証明された格好. ●いろいろな人名のついた議席配分方法が出てきて混乱すること以外,きょうはやけに簡単な内容といえないか. ●「x以下の整数のうち最大のもの」というべきところを「x 以上の整数のうち最小のもの」といい間違えた. TT が混乱してすぐ指摘してくれた.だが,これで優が決まりというほど優雅な決まりはない. Other comments: -トイレに携帯電話を落としたという YK,部屋に入るや否や本棚から『混浴宣言』を 取り出す.取る前にひとこと言えよ.海辺で会った,タバコを吸っていた巫女を思い出した. 混浴に入って来たと言う巫女に,僕は「巫女さんがそういうことしていいのか」と聞いたことを. -「先生の前の2人を思い出せない」と家がお食事どころをやってる SI.2人ではなくて3人で, コンドルセ,ボルダ,アローだよ.お客さんに「うちのせんせーは」と自慢話に使いたいのだそうだ. 想定外の利用法なので,私は責任を持たない.しかしそんな話を土建屋にしても自慢にもならんなあ とか言ってたが,土建屋さんは議員の知り合いも多い.知っていて損のない話かも. -ノートの smaller/larger than d のどちらかを選択させるところで余計なコメントを入れる者あり. -HT が新しい携帯電話をごそごそと.授業再開したのだから,しまえよな.それにしても 絵文字が豊富だね.で,その絵文字はおなじ会社のにしか送れないらしい.僕のアドレスには届かないということ. -先週の「これからはじける」欠席者は結局3回はじけたらしくて,うれしかったと. というか,あるオヤジがそう言わせていただけなので,真実は埋もれたままである. いっしょにはじけなかった僕は何もうれしくないけれど,本人がうれしいならそれはいいことだ. 大阪城サブレを配っていた. -そんなことを考えていたら H と目が合った.ミネソタで出会った E に似てる. しばらく視線が重なりあってますます E を思い出した. 似てると教えてあげたけど,深い事情はとりあえず関係ないだろう.
1855-1955, 2020-2040. Text (Young 1994, Equity: In theory and practice) Chapter 3, Sections 9-10. ●今日は,2セクション分しか準備していなかった.SIから30分遅刻するとの連絡もあって, TTも遅れたので,それまでは雑談ということにした.開始後も雑談を何度かしていた. Other comments: -きょうは雑談が多すぎて書ききれない. -「世界の中心で愛をさけぶ」という映画のロケが,庵治で行われたそうだ.庵治半島といえば僕のドライブコースだ. 月3回くらいは独りで行ってる. -ということで恋愛の話なんかがあった.だが,風俗や水商売の女性と何人か恋愛して来たという男性がよくしゃべる ものだから(女性陣もその話に乗るし),話があらぬ方向へ. あんまり普通の恋愛の話じゃないよ.「世界の中心で愛をさけぶ」ともだいぶちがう. -風俗の女は「他の男に性的に奉仕するような自分を愛してくれている」といった負い目を持っているから, 男としては扱いやすいと言う.「負い目」ねえー.そりゃ嘘くさいなあ. -水商売の女には,「おまえは自分の仕事にプライド持ってないのか」と言っておけば 仕事を続けてくれるので,[その分男としては金がかからなくて] いいらしい. こちらはありそうな話だ.わりい男だ. -仕事を捨てても,即プライド捨てることにはならないんだけどね. -ちなみに丸亀には個室キャバクラ(?)というのがあるらしいが,そこのところの話はほとんどフォローできなかった. こきゃば(?) の客室乗務員(ではないけど)との恋愛だったらどうだとか いった話だったかもしれないが,そういう恋愛がはじまるという前提が大きく受け入れがたいし. -ちなみに個室キャバクラ(?)というのは,男性客ひとりに女性がついて,エッチなことをするらしい. 丸亀というところがあるなつかしさを覚える.僕の祖母の戸籍があった詫間に近いんで, 「僕の知らない故郷」の女の子に会えそうな気が.でも,丸亀にあるからって,そこ出身の人が働いているというわけでもないのかな. -ちなみに「キャバレー」というところには,幼稚園に入る前によく父親に連れられて行っていた. お姉様たちにかわいがられていたらしい.そのころはべつにエッチなところではなかったのだ. -ちなみに,父は美人座という県内初のカフェで生まれたらしい.カフェとは現在のナイトクラブにあたる. -まともな外食に慣れたら家庭料理は食べられなくなると,既婚男性. それでもまずいとは言わないらしいが.(僕はまずいとか何か変だとかよく言ってたよな.だから駄目になったんだろうか.) 食事をつくるのが得意でないという H ちゃんは不安そうだ. (最初の授業で呼ばれ方の希望を聞いて以来,ときどき下の名前で呼んでいる学生が男女それぞれ1人いる.S と H ちゃん.) -他の条件が等しい限り女の子のおっぱいは大きい方がいいという意見があった.それはまちがっていると僕は思う. 僕の場合まずは顔とか姿勢とか脚に注意を奪われて,おっぱいがどうのとかほとんど意識しない. 意識できる状況になったときは,大きさよりも形を気にする.大きいと形が悪いと思うことが多い. -それに,ブラを変えるだけ(下からすくうようなブラとか)でだいぶちがって見えるんで, あんまり見かけを問題にしてもしょうがないのでは. -経済学部の教授に口出しをしたという学生がいる.問題をホワイトボードで解かせて, そんなの中学生レベルだと教授がいったそうだ.問題自体はたしかに中学生レベルだ. でも,教授の言い方が悪かったのかもしれない. それに口出しをしたのは,べつに褒められたことではないが,許されることだろう. でも,自分が知る限りその教授はとてもいい人だから,怒らなくても,言いたいことは伝わったのではないか. -「結婚相手なんてどんどん変えて行けばいい」という男が,けっこう盛んにしゃべっていた. 僕の場合は,離婚するつもりだったら結婚しないなあ.やはり結婚相手はずっといっしょに 生きて行くつもりで一緒になるんであって,男は浮気はしたくても妻と別れたいとはあんまり 思わないのでは. -ハーバード大学で H-Bomb というセックス情報や学部学生のヌードを載せた雑誌が出るらしい. 学生が作る雑誌だそうだが,ヌードは大学院生ではだめなんだろうか. ヌードは見れないだろうけど登場人物の顔くらいは見れるかなと思ってサイトを探したのだが, 顔のない写真しか出てこなかった. -授業開始直前,謎の来訪者.どこかの大学を中退したが香川大学経済学研究科を受けたいと.
1815-1945, 2005-2100. Text (Young 1994, Equity: In theory and practice) Chapter 3, Sections 11-13. ●Consistency のところ,Table 3.5の例の説明にけっこう時間がかかった. ●Justifiable transfer の説明は分かりにくかったようだ.Justifiable でない(ことが明らかな)例だけあげたのが 問題だったと思う.授業の後のノートの改訂では,ほとんど同じ数字を使ってjustifiable な例とそうでない例を載せた: +For example, if $(p_i,a_i)=(29,2)$, $(p_j,a_j)=(21,3)$ and $(29,2)P^+(21,2)P^+(21,3)$, then the transfer from $j$ to $i$ is justified. +If $(p_i,a_i)=(21,2)$, $(p_j,a_j)=(29,3)$ and $(29,2)P^+(21,2)P^+(29,3)$, then the transfer from $j$ to $i$ is not justified. ●Consistency with the standard two-state solution が重要だというのはなんとなく理解できるが, consistency 自体はこのコンテクストでそんなに重視すべきことだろうか. すべての州を対象としたルールを考えるのに,一部の州を取り出す議論がどれだけ有効か. ただ,現在の制度を主張した Huntington らの数学者の議論が暗黙に pairwise consistency に もとづいているので,それへの対抗上 consistency を主張することは有力な議論になる. ●Young 62頁に,This result is disturbing... という3つの文が2回繰り返されるところがある. 最初の3文のあとに続く4つ目の文の後半が This result is disturbing という前に来た文の最後のところに つながり(結果として4つ目の文は誤っている),This result is disturbing... にもどって,次に続く 4つ目の文は先出のものと最初が同じで,後半が訂正されたものになっている. ●YYが1-2章の演習問題の一部の回答を提出. Other comments: -この前トイレに携帯電話を落とし,『混浴宣言』を見つけた YK,きょうは 『多様な性対象と納得する性快感: 性体験記録』(河出文庫—生心リポート・セレクション 日本生活心理学会)という文庫本を見つけ出した.日本生活心理学会というのは,たしか 性生活の記録を残していた昔の「学会」で,その当時から見れば過激なレポートを残している ところ.僕は数章読んで断念したが,以前僕の研究室に通いながら読破した女子学生もいた ことを思い出した.YK はもうひとりの女子学生にその本を見せておもしろがっていたけど, 女子学生は一般にこういうエッチなのが好きなんだろうか.それとも僕のところに来る女子学生が変わっているのだろうか. 男子学生は絵がなくてつまらないとか言っていた. -HTは自動車運転免許の教習に通い始めたと.僕のミネソタ,大阪,カリフォルニアでの話をちょっとした. 大阪は厳しかったのでけっきょく25000円くらい払って講習受けたこととか. -この前の授業の後,高松港に掃海艇と掃海母艦を見に行ったと言うと,HT が「ひとりで行ったんですか」と いうので,親切な僕は「行きたかったら連れてってやろうか」と答える.本人より周りの反応の方がよかった. -その HT は女子高生だったころ,自衛隊に就職しようと思ってたけど,教師に止められたらしい. 海外に行かなければならなくなると.「そうです,海外行けるから入りたいんです」 といって入ればよかったかもしれないけどね.TTが,あれはよっぽど優秀な隊員じゃなきゃ無理だとか教える. まあ,いまのところそんな感じだ. -それで,先週の授業の後はお船に乗れなかったけど,土曜日に乗って来たといって 海上自衛隊のパンフレットとかのおみやげを見せると,異様に受ける.SI が紙製のキャップを取り出して, みんながそれをカメラ付き携帯で撮影したり.ぼくは S よりは H ちゃんの写真が欲しいよなと言うと, いったん S は H を写したが,その写真どうですかと S に言われて僕が「まあまあ」と答えたら, 消してしまった.残念. -本日の授業にあんまり関係ない腎臓の配分の話.血液型がどうのこうのと言っていたら,HT が YK に 僕の血液型はと聞いていた.占いでもしてくれるらしいが,他の情報が圧倒的に少なくて占いできないんじゃないか. -4年になったら転勤しなきゃならなくなりそうだと優秀な学生が相談というか,告白(?).そうなったら とうぜん香川大学の卒業は無期延期.上司が変わったからこれまでの約束が消えそうだと. 「約束は約束で,前提条件として守ってもらう」という交渉も,退社覚悟でやればできるかもしれない. でも僕が答えたのは, 「大学卒業しないとビジネススクールとか大学院には入れなくなるけど,それ以外じゃたいしてちがいはないよ. でも,とれる単位はとっておいたほうがいい.よそへの編入とかもあるから.」 彼の場合,実績を見せれば優秀な奴だとすぐわかりそうな感じだから, 学士号自体がプラスになることはあんまりないのではと思っての答. ただ,本当のことをいうと,短大卒でも某大学院の地域マネジメント研究科を受験できた例はある. 卒業とほとんど変わらない単位を揃えて,しかも職業経験が認められれば「学士と同等」を認められる 可能性はかなりあるのかもしれない. -船木『エコノミックゲームセオリー』を TT に貸す.
1830-1950, 2005-2055. Text (Young 1994, Equity: In theory and practice) Chapter 4, Sections 1-5. ●Contested garment rule の説明は最初は分かりにくそうだった. しばらく例をやったら,ほぼできるようになった. ●TT は contested garment rule 自体が気に食わないと言っていたが,銀行のとりつけの説明は他の説明よりは 納得がいく様子だった. ●シャープレー値が consistency を破る例に TT などが感心していた. ●タルムードの配分の謎を解明したのは先生かと SI が聞くので, 「僕らだよ.われわれゲーム理論家がやったのさ!」と答えたら, 「20年も前のことなのによく言うわ」と,受けていた. 僕がゲーム理論家といえるかどうか自体が謎だが. ●Contested garment rule に整合的な配分をタンクの水位で説明する方法で,タンクをつなぐ パイプを縦にしていたのだが,横の方がいいと SM が指摘.けっこう議論になった. どちらでもいいのだけど. Other comments: -YKが本を借りていいかと.両方とも岩月の本で, 『ひねくれた人に振り回されない88の方法』 『ずっと彼氏がいないあなたへ』 -再来週はお食事会ということにした.飲み会かな.暑いのでちゃんこはやめて, HT が安い適当な店を見つけてくることに. -ここ数日,せきで苦しい.ほんとうに結核かも.だとしたら薬を規則正しく飲み続けなければいけないらしい. それは面倒だ,というよりほとんど無理. -HTの髪型,それは何だと聞いたら,信長のちょんまげ(?)とか.この前とどっちがいいですかと聞き返される. どっちがいいかなあ.まあ,いろいろあること自体が楽しいのだ. -『世界の中心で,愛をさけぶ』の映画の評判はあまりよくなかった.2人がすでに見たと. 僕は先週庵治に深夜行ったときに看板をみつけて撮影現場らしき防波堤に行って来た. (その帰り半島を一周したら生まれてまもない子犬4匹を連れて歩いている犬たちに遭遇した.) 映画のホームページや庵治町のホームページに載っていたロケ地マップを見たのは, 実際に行った後だった.「夢島」とは稲毛島のことらしい. http://www.town.aji.kagawa.jp/eiga/aitop.htm
1820-1920, 1940-2050. Text (Young 1994, Equity: In theory and practice) Chapter 4, Sections 6-10. ●穴埋めが少なかったこともあって,学生の反応がいまひとつ弱かった. 聞いていないわけではないが,注意散漫な学生がいた. 質問されたとき,すぐに分からないと答えていた学生は特に注意. Other comments: -授業の前に YY に出会う.前回の log が少なかったと HT が言っていたとのこと. ふむふむ,HT はこのページを見ているのか.なら,内容についてメールでも書いてくれればいいのに. 特に,心理描写とかかなり外れているかもしれないので,それを指摘してくれたら,もっといい作品になるかも. -HTにログが少なかったかと聞くと,いつもにくらべて少なかったと. こちらとしては,できるだけ少なくしようと努力しているのだ. -「何か載せて欲しいこととかあるの? 自動車免許とれたとか?」と HT に聞くと, べつに載せなくていいけど,仮免許は取れたと.教習から大学に戻って授業まで時間のあるとき とか見るということ.「昼間は暇なんだ?」と聞くと,教習で毎日昼間忙しいとも言っていた. べつに (まだ) 誘ったわけでもないのにな. -そういえば HT の信長のちょんまげの先はたしかに自分の髪だった.ほどいてくれたので分かった. -きょうは SI が後ろに座っていて,なんか静かだ.隣の女の子と遊んでばかりいないように. -YK が早く来たので,うちわで扇いでくれないかなと頼んだけど, 奉仕精神の低い彼女はいやだと答えた. まだ部屋に来たばかりで冷房が効いてなくて暑くて,僕は汗が吹き出していた. 仕方ないから,電池式のおもちゃの扇風機にあたったが,ほとんど効かない. -HTがエロビラの入った封筒を見つける.大阪に 1998-9年いたころに収集したものだ. ポストに入れてくれるやつ.おいおい,授業中だってば.「授業の後にゆっくり見ればいいよ.」 -授業の後に,エロビラを取り出して見る HT ら.さすがに量が多くてもういいわと 全部見るのはあきらめていた.この写真は女優の誰だとか言っていた. じつは写真よりも,内容を読んだ方が面白いのだ.たしか夏は安くなっていたとかあったのだ. じつはそういうビラは高松でも配布しているらしい.僕のところには入らないのだが. -そのビラを見ながら, 三原「こんなかわいい子が出てくるのかな.」 HT「行ってみたらいいじゃないですか.」 三原「行くものじゃなくて,部屋によぶものだけど.」 HT「じゃあ,もっといいじゃないですか.呼んだらいいじゃないですか.」 HT はどういうつもりで言っているのだろう?どういうつもりなんだよ! もしこれが片想いの相手だったら,こんなこと言われたら,男は自暴自棄になって 「馬鹿やろう.なんで分かってくれないんだ!」 と海に向かって叫ぶだろう.そして,ジャンボフェリーの反対側 (東側) の車止めが低い埠頭から 車ごと海に飛び込むことだろう. (坂出港ではそういう車が何台も発見されたが,高松港もすぐ海に落ちる構造ということでは大差ない.) しかし,貝のこびりついた車の中の自分の死体を想像するのは気持ちがよいことではない. よって,男は自暴自棄になって 「馬鹿やろう.なんで分かってくれないんだ!」 と海に向かって叫ぶだろう.そして,ジャンボフェリーのさらに西側もっといった, 港に突き出た城東町あたりのお店に飛び込むことだろう. (城東町はソープランドのお店が多い.) あるいは,男はそういうビラの女の子を部屋に呼ぶだろう. なんだ,けっきょく行くことになるな,この話では. -その HTから「「三原」で予約せんほうがよかったんですか??」とメール.ゼミ生全員に宛てたメールに, 「「三原」で予約しているらしいので直接行ってくれればいいです.」と書いたことへのお返事か. この授業のとき,「なんだ「三原」で予約したの? T で予約してくれればよかったのに」とか言ったことを 気にしたのかな.意外に繊細なのかも.「あ〜,なんて繊細なんだ!」 いや,そういう問題ではないかな.気にするなとお返事. -[番外編] この週の金曜日,香川県立保健医療大学/ 香川県立医療短期大学あたりをドライブしていたら, 香川県木田郡牟礼町大字原281番地1 http://www.pref.kagawa.jp/daigaku/ カセットテープの調子が悪くなった. 「女子大らしきものがあるから,そこにでも車を停めて看護婦さんの卵でも眺めながらテープのたるみを直そうか」 と思い,その大学に入る.入講許可証が要るとのことだったが,勝手に入れたので 勝手に入って学生駐車場に車を停めて,テープを巻き上げたり早送りしたりしていた. 夕方だったので学生の姿はほとんどなかった.ときおり,ポニテールの女子学生なんかが駐車場に来て 数分間車の中を片付けた後,出発していった程度.もともと学生数が一学年70名と少ないところのようだ. 新しい,奇麗な校舎だ.しかし,何かただならぬ空気がある.あまりよくない霊気を感じるのだ. 目の前の講義棟と実習棟の屋上の灰色の部分は何だろう.それが原因ではないだろう. 場所が悪かったのか.すぐ側に墓地があったが,いなかだからそんなものはそこらじゅうにある. それが原因ではないだろう.よく分からないままその日はそこを立った. 土曜日,気になったので昼間にその大学を訪れる.今度は中には入らず(鎖がかかっていて入れないようだった), 大学の周りの道を何周かした.さすがに真昼だったためか,前日のような霊は感じられなかった. 志度湾を見下ろせる,眺めのいいキャンパスだった. 一周する道のほとりにため池がふたつ,池の反対側のキャンパスを削り取った崖のすぐ上にはお地蔵さん, 池の改修にかんする石碑,大学開設に合わせて水利権争いを解決したとの石碑, ナンバープレートを外した廃車11台,大学の北西部の高台に墓地がひとつ, 西のやたら高い高台に神社がひとつあるだけだった.神社はもともと現在の大学キャンパスの中にあったものを そこに移したらしい.Yahoo! Japan/Mapion の地図で見ると,キャンパス内に神社のマークがあった. 近くにはため池が多く,トンネルが何本かある. 廃車が11台もあるのは気になるが,べつに悪い土地でもないようだ.問題があるとしたら古いものでは ないのだろう.悪い霊気を感じたのは僕の思い過ごしかもしれない.なにか知っている人は教えて欲しい. [ネットで検索してみたら,近くに中村トンネル (立石トンネル) という有名な心霊スポットがあった. http://ww81.tiki.ne.jp/~kuma_zett/spot_main.html 調べてみると幼稚園児の乗ったバスが事故にあって全員死んだとか, 朝鮮人労働者に掘らせて,トンネルが完成したときに殺して埋めたとか, といった噂があるようだ.怖い話は,トンネルの南の入り口にあるお地蔵さんにまつわるものが多い. しかし保健医療大学とは直線距離で1キロちょっとあるので,関係ないか. 唯一関係ありそうな情報は,トンネルの北の池ではよく心霊写真が撮れるという情報. でも,池はたくさんあるし.それにしても,これを調べるのに数時間かけてしまった. 我ながらなかなかの執念だ.やはりあの地にはそうさせる何かがあるのだ.] むしろ香川大学の経済学部キャンパスのほうが呪われているのかもしれない. 僕はここにいるのが長過ぎるためか,感じないし,他のひとが感じるという話も聞かないけれど. でも,たとえば96年ころ講義棟の階段から学生が飛び降りて自殺したのが記憶に残っている. まあ,自殺があったくらいでは呪われるものではないと思うが. それを知っている学生はどのくらいいるだろう.詳しくは佐藤忍教授が知っているはずだ.
三原ゼミ統合飲み会/お食事会は24日木曜 6 時に瓦町北の吾割安でとい うことになりました. 087-851-5030 高松市福田町6-3 http://www.amnet.co.jp/fukudamachi/index.htm 「三原」で予約しているらしいので直接行ってくれればいいです.お酒を飲み たい人は運転せずに帰る方法を確保して来るように. ちなみに僕は O 型なんでよろしく. *** 雨だった.1800 にはSMだけが来ていた.9人揃ったのが1830ころ.最後の一人は遅れると連絡があって1930ころ来る. しかしよく食べる連中だ.ぜんぶで 39,600円くらい.吾割安で一人あたり4000円というのはそうとう食べたということだ. 予算は 27,000円だったから,超過分を7月大阪行くときのホテル代に換算したら3泊分を超える値段だ! 3泊分だぜ,3泊分! その割にはきょうは彼女ができるわけでもないし,効率が悪かった. 超過分を自分が過去,女の子とエッチに至ったまでの典型的おごり額で換算すると2〜3人分くらいか. (全額でなくて超過分がその数字.僕のばあい,もともとおごらなくてもついて来ていたような女性ばかりを相手に して来たということだろう.) まあ,そもそもこれは合コンではないのだから仕方がないか. (ちなみに合コンはほとんど行きません.) こういう比較自体,意味がないのだ. 最初にお酒を注文したとき,目の前に座ったYKも僕もカシスオレンジだった.YK といっしょというのは吉か凶か? 僕の左は HO,右はMYでその右が HTだった. あとで紹興酒と亀ゼリィがただになるクーポンをもっていたのに気づいたのも後悔に拍車をかけた. クーポンの存在は覚えていたが内容を勘違いしていたのだ.やはり YK といっしょは凶だったのかも. そういえば同僚の S も合コン,ではなくてゼミコンパを隣でやっていた.出るとき気づいたが. こちらは正確にはゼミコンパではなくてお食事会だけど.S のゼミ生もたかるのだろうか. 「理想は [三原] 先生だけど私には手が届かない」と言った君,手を伸ばせばすぐ届くじゃないか……. だれかのお嫁さんになりたいと言ったその彼女に,僕は誰か紹介してあげようかと答えた. 年齢を気にしなければ本当にいろいろいるからねえ. ネコにゃんにさようならを言って帰る.
体調不良により休講.愛情あふれるお見舞いの言葉をありがとう. その後,少し気になっていることがあって, (文面上は) いちばん愛情こもってたお返事をくれた X にメールしたのだが, 他の人と相談するとだけ連絡あり.だいぶ心配したんだけど, けっきょく問題の原因はおろかそもそも問題が存在していたのかも分からずじまい. 気になるよなあ.心配だなあ.知りたいよなあ.絶対白状してもらいたいよなあ(何をだ?). とか繰り返すとしつこくなるのでこのへんで止めとこう.
1840-1955, 2010-2100. Text (Young 1994, Equity: In theory and practice) Chapter 5, Sections 1-5. ●ちょっとした逆転あり.Section 2で具体的な費用分担法をやっていたのだが,前回最悪だった学生 b が絶好調. よく分かったなとまわりの学生が感心.通常ベストの TT がべつの問いに正解を出せなかったので, 「b に負けてるじゃないか」と言うと b が少しふくれてむっとした顔をした. 肌の触れ合う教育をめざす (ウソ),愛情あふれる (ホント) 教師としては, 「言い方が悪かったにゃん」 とでも言って抱き閉めて慰めてあげたい気分だった.でも,それをするとエッチとか気持ち悪いなど, 不本意なことを言われそうなので,黙っておいた. ●Section 3 にある 3人ゲームの基本三角形は予想通り学生に受けた.各辺に降ろした垂線の和が いつも一定になること.もっともポイントはコアの図示の方だ. ●Section 4 でいちばん難しい概念は cost sharing rule か.「問題」は cost function に集約されている. 「問題」が与えられたとき費用配分という「答」を出す手続きのことを cost sharing rule と呼んでいる. ●Section 5 の Tennessee Valley Authority については,世界恐慌とか New Deal といった時代背景を数人が 知っていた.ケインズ型の公共事業が成功したということになっている数少ない例のひとつだと思うが, 今の時代でもしっかり教え込まれているようだ.自由市場は恐慌を引き起こすとか, その解決には政府の経済統制が必要だとか,いまでも相変わらず高校では教えているのかしらん. ●夏休みの宿題として後期に発表するための準備をやってもらおうと提案したら,夏は自由がいいと学生. では発表は「優」以上の条件とすると言ったら,TT, HT, YY の3人がやると返事.
1845-2010, 2030-2115. Text (Young 1994, Equity: In theory and practice) Chapter 5, Sections 6-8. ●Section 6 の電気を引く話で TT が「他の家が後からつなぐとかは考えないのか」と. あとから他の家が出てくることも,この中の一部の家が「自分は関心ない」と言って 協力を拒むことも考えていない.「家」ではなくて「地区」と解釈し直せば, 4つの地区に分かれて同時に宅地造成した業者が,電気を引くコストをどう分担するかを 話し合うような感じか.一方,もし電気ではなくて水道だったら,「自分は井戸があるから興味ない」 と最初のうちは無関心を装い,自分に水道をつなぐための追加的コストが十分低くなった時点で 関心を示すということもあるだろう.そういう分析は非協力ゲームの方がやりやすい. ●Cost function で表されているコストとコスト配分のときのコストのちがいを分かっている だろうか.コスト関数で表される c(S) というのは提携 S が独り立ちしたときにかかる費用, 後者のコスト配分 ai は全体のプロジェクトに全員が参加したときに個人 i が支払 うべき費用. ●Section 7 の Table 5.5 の dummy について YY が質問.質問がはっきりしなくて, dummy 以前の問題として,コスト関数のコストとコスト配分のコストの区別が分かっていない のではということが気になってあまりいい例を出せなかったのだが,TTが負の外部性のある例を出してくれた. 単独で提供すればコストはゼロでも,他と組み合わせるとコストが出てくる例.子供のための ジャングルジム単独では維持費がかからないとしても,美術館 (絵画)と組み合わせると, 美術館だけを作ったときの維持費に比べて(子供がいたずらをすることを監視するコストが増える分) 維持費が高くなるという例. ●Dummy はそれ自体がゼロコストというだけではなく,他のものと組み合わせてもコストに影響がない ところが重要.前者の条件を満たせば後者も自動的(足し算的に)に言えてしまうと勘違いしていた ことから YY の質問が出て来たようだ. ●Section 8 の nucleolus については概念だけ与えて,計算法はほとんどしめさなかった. 計算法は武藤の『ゲーム理論入門』VI章 6節に少し載っている. ●きょうも YK の調子よくないか.一方,他の学生の混乱を横から眺めていた HO は 「ちゃんと分かっています.」 ●4章と5章の練習問題を希望者4名に配布.8月末を締め切りとする. でき次第コピーを採った上でメールボックスに入れ,それを僕にメールで知らせてくれればいい. 2章の分は7月30日18時を締め切りとする. ●後期の発表は以下の船木の章を考えている.ノートを準備してもらうことになる. -船木由喜彦. エコノミックゲームセオリー: 協力ゲームの応用. SGCライブラリ11. サイエンス社, 2001. 第1章「家・車の売買---非分割財市場のコア」と 第7章「男女のマッチングと家の割り当て---貨幣のないケースのコア」. 7章については去年の学部演習ログの 1/20/04 Seminar 25 に書いた補足を参照のこと. ばあいによっては第4章「シャープレイ値による費用分担」も可とするかもしれない. 以下の演習 II 候補図書のうち久保・松井について,夏休みか後期の授業時間外に希望者を集めて理解を確認する時間を設けたい. ノートを準備する必要はない.ノートなしで授業 (演習 II を想定) が成り立つレベルかどうかをチョックするのが目的: -久保幹雄・松井知己. 組合せ最適化 [短編集]. 朝倉書店, 1999. 第1章 「オイラー閉路と中国郵便配達人問題」(全員に配布した). -徳山豪. 工学基礎 離散数学とその応用. 数理工学社, 2003. グラフ理論の章.
休講.講師が学会に出張のため.
休講.2章の練習問題の締め切りは30日18時の予定だったが,8月9日1830に変更.
「久保・松井1章 (久保幹雄・松井知己. 組合せ最適化 [短編集]. 朝倉書店, 1999. 第1章 「オイラー閉路と中国郵便配達人問題」)は読んだら連絡して欲しい.夏休みか後期の授業時間外に希望者を集めて理解を確認する.ノートなしで授業が成り立つかどうかを実験する」とメールに書いたところ,8月上旬に TT から以下のような返事.僕としては,ゼミでの使用を想定しているので,自力でかなりのていど読めればいいわけ.
3人プラス大学院生で2章分を担当.授業形式で発表.正規の授業時間以外を使うかどうかなど,時間は相談する.担当すべきところは当日か直前に指示する予定だから,それまでにどの部分でも担当できるようにしておいて.質問は担当にかかわらずにやる.教材の準備を手分けするのはオーケなので,自分たちで決めればいい.
こんなに早いうちから課題を読ませるのには理由がある.早いうちに徹底的に理解したうえで (覚え書きをするのはいい) いったんは忘れ,必要になったときにはじめて発表のためのノートを準備するというのが効果的だから.そうすることにより教わる側の視点から見れるということのほか,はじめてやったときには難しかったことが2度目には案外簡単になる効果をノート作りに生かせる利点がある.あまり早くノートを準備してしまうと,そのノートの視点から抜け出すのが難しく,効率の悪い理解の仕方をひきずったりする.
このアドバイスでいけば,今は理解に時間をかけるのがいいということ.
写真をメールで送ってくれていいぞと言った意図が伝わっていないのかもしれない. よくゼミ生合同の「記念写真」なんかが学園のしおりか何かに載ってる. とても素晴らしい写真とは言えない.(特に予定はないが,それに近い合同写真を撮る可能性は僕らのゼミでも高い.) あんなのが僕の手もとに何十年も残ることを考えたら,学生としてはもっとマシな写真を僕に持っておいて もらいたいと考えるんじゃなかろうか. 自分がいちばん気に入った写真,とはいわないまでも合同の「記念写真」よりはマシな写真を 持っておいてもらいたいと思うんじゃないか.20年後に何かの機会で会ったとき, 「いやあ,あのころは可愛かったと思ったんだけどねえ,記憶ちがいだったかなあ」などと僕に 言われないように,つまりできるかぎりベストの記憶が僕に残るように, 何らかの対策を採りたいと思うのではなかろうか. 「写メールくれていいぞ」という僕の言葉には, そういうチャンスをみんなに与えようという愛情が込められているわけだ.
授業直前にゼミ生一同へ送ったメール: ●本日のゼミは今のところ4章と5章の演習問題の解説を予定.遅れた分は本日の授業に到着次第提出すれば受け付ける. ●2章の問題2,3,4は当分受け付ける.[大学院生]が完璧な正解を書くらしい. ●次回から7, 8, 9 章を二回づつかけてやる.6章は省略. ●11/25には10章を終わらせて,その日から船木1章と7章の発表に入る. 準備よろしく.船木は4コマ(2回)ていどを予定.今年中に終わらせる. ●久保・松井1章は,授業時間外にでも希望者を集めて理解を確認する. -- 1830-2000. 4章と5章の演習問題の解説. Chapter 4: #1 (i), (ii), #3 (ii), #4, #6. Chapter 5: #1, #2(i), #3, #4. ●きょうの主なオーディエンスは上記演習の回答を提出した YY と HT だ. 演習やってない人がフォローするには少しキビシいかも. ●そんなわけで騒がしかったのは仕方ない面もある.でも,来週からはテキストに戻るから気をつけてくれ. ●船木のコピーを HT と YY に渡す TT. 夏休み中に読めと言っていたのに,3人とものんきだ. いまからでも遅くはないので,このログの「8-9月: 夏休み中の動きから」の「船木の1章と7章の発表準備」 を読んで,どこでも担当できるように早く準備を始めること.中途半端な発表では演習 II 受講資格は得られないと思え. もっとも演習 II を取ろうという考えの人間はゼロかもしれないが. ●発表者以外にも参加してもらいたいか,もし参加を求めるなら船木コピーを渡しておいた方がいいか,発表する4人で考えて, 必要ならコピーを渡すか買ってもらうように.
1830-1940, 1950-2100. Text (Young 1994, Equity: In theory and practice) Chapter 7, Sections 1-4, up to page 120. ●12月11日土曜か12日日曜の補講はむずかしそう.12月18日土曜か19日日曜で考えてもらう. ●授業前に船木の本の発表の分担を決めようとする学生.おっと HT, TT, YY だけでなく, SI, YK, MY も参加すると言い出した.評価が難しくなりそうだ. ●自分が発表を担当する部分だけでなく,担当する部分を含む章全体を理解しておくこと. ●くじたち (lotteries) を比較する効用関数が「同じ」選好を表すあるばあい,それらのどれを用いても, 配分結果は同じになるような解概念が望ましい.それを示唆する議論がところどころにある. どういうときに2つの効用関数が同じ選好を表すか,授業でははっきりは言わなかったが,ひとつの効用関数 v がもうひとつの効用関数 u の正の実数倍足す何か (v=ku+c for some real nubers k>0 and c) となっていればいい. この章では v(0)=u(0)=0 と仮定されているので,c=0 となる. ●期待効用の議論で,「いくら多くもらう方が望ましいからと言っても,こういう[下に凹な]効用関数 とこういう[下に凸な]効用関数じゃ,同じ選好を表してるとは言えないよね.こっちは50万円が確実にもらえる 方が100万円が2分の1の確率で当たるくじをもらえるよりいいと思う選好で……」と言って学生に尋ねる. YK はじめ大多数はリスク回避の選好を持つと表明.一方,リスク愛好を表明したTT は 「じゃあ確実な 50円と不確実な 100円だったら,不確実な100円を選ばないか?」 そうかもという顔の YK. TT「自分にとっての 100万円はYK にとっての 100円のようなもの!!」 そうだね,リスクに対する態度は額によっても変わるし,たしか心理学あたりではそういう 選好を考えることもある. ●Bargaining set の定義. SI ら「説明してくれればそれだけのことかと思うけど,数式で書いてるのを見てもぜんぜん分かりません.」 ●Bargaining set 自体が各要求者が貸し付けた額に独立に決まるとしても,解は独立である 必要はないと TT. これは鋭い指摘だ. ●Page 120 の第1パラグラフの数字には誤りがあるので注意. ●そのパラグラフで the comparisons do not depend on how the utility fuctions are scaled とある.これが先述の「効用関数が「同じ」選好を表すあるばあい,それらのどれを用いても, 配分結果は同じになる」という性質.たとえば u2はそのままで v1=(1/2)u1 となる v1 を考えて計算してみるといい.
1830-1945, 1955-2105. Text (Young 1994, Equity: In theory and practice) Chapter 7, Sections 4 to 8. ●12月2日はやる予定.やるばあいは久保・松井「オイラー」を考えている. ●12月19日日曜に補講.船木7章と久保・松井.午後1時から6時間程度はみたい. ●著者は公理的交渉理論のフレームワークが嫌いなのだろうか.この章では,交渉理論のフレームワークが 観察不能な効用に基づいていること,現実の交渉では個人間の観察可能なちがいが重視されることを, 実験結果,実証例などをもちだして交渉理論をしつこく攻撃している. ●ナッシュの基準で行けば,要求者1の効用が 1.67パーセント下がって要求者2の効用が1.65 パーセン上がるような移転は やらない方がいい.下がる分が上がる分より大きいから.これは総効用が 0.02パーセント下がるとはいえないことに注意. ある変化によって 1万メートルの山が1パーセント高くなって10,100メートルになり, 100メートルの山が2パーセント低くなって98メートルになったとき, ナッシュの基準でいけばその変化はこれらの山が低くなる方向に作用したことになる. 合計の高さはマイナスどころか増えている.もっとも, ふたつの山のもともとの高さを同じ100メートルに換算すれば, 最初のは1メートル増えて,後のは2メートル減ったことになるため, 差し引きで1メートル減ったと言える.差し引きできるのは,あくまでも換算後の値について. ●a+b+c=1かつ a=√b=√c となる正の数 a, b, c は計算しなくてもすぐ分かるだろうと尋ねる. だれも答えられなかったが,YK が a=1/2 ... と小さい声で言ったと主張. もっとこっちに分かるように,自信をもって言ってくれ. ●セクション 5 以降は理論はほとんど出てこないので,さっと済ませることができた.
1820-1935, 1955-2100. Text (Young 1994, Equity: In theory and practice) Chapter 8, Sections 1-4. ●セクション2 に貧乏人と裕福な二人の相続人が遺産をオークションにかけて売上金を補償として相手に渡す話が出て来る. それは貧乏人に不利だと TT. 「たとえば YK や自分が300万円くらいの価値を感じていても,手持ち金がない YK が たかだか 1000円しか値付けできないと自分が読んでいれば,自分は 2000円程度でそれを獲得することができる.」 まさにそういう話をこれからしようとしていた僕は笑ってしまった.(なんで笑っていたかは,後でお気づきのとおり.) 当人の YK は「生きて行けるなら遺産なんていらんわ.」 いい子だなあ.伝説のなかの僧侶のようだ.みんな,YK を彼女にすると安上がりかもしれんぞ. ●ある付け値の組み合わせが均衡でない証明は,その組み合わせからひとりが動くことによって改善する ことを言えば良い.どう動けばベストかまでは言わなくていい. ●B がたかだか25000ドルしか入札できないと知ったら,A は25001ドル入札すると先読みした YYは賢い. どうせもらえないなら B はもっと低い値段をつけるかと言えば,そうではない.たまたま相手がちょっとだけ じぶんより高い値段をつけていれば土地は相手のものになり,自分が受け取る補償金も少なくなるから. ●もっともこのセッティングはあんまりありそうもない.300,000ドルもらうのと土地をもらうのと無差別 だからと言って,その土地をもらうために300,000ドル払う意思があるというのとはちがうから. ●Section 3 はあとのセクションとのかかわりがいまのところ分からない. ●Divide and choose (ひとりが切ってもうひとりが選ぶ分割法) は,分割者が選択者の選好を知らなくても envy-free な配分を実現する理由を HT に尋ねたら,どうやら僕が人名を混乱してて,HT も混乱したらしい. そこをはっきりさせたら,ちゃんと正解を言ってくれた.で,混乱するから絵を描きましょうということになった. ●で,分割者が選択者の選好を知らなかったらどうすると TT に聞くと,「相手が好きなイチゴを端によせといて, 量を取る自分は3分2は取って相手にはイチゴとスポンジ3分の1程度をやる」と完璧な答. 「絵でも描いた方が分かるかな」と僕がいうと,描かなくてもみんな分かっていると. [それはそうと,学内政治の話になるが,GSM はこういう提案ばかりいつも受けている気がする. 予算にせよ,授業の担当にせよ. 大学院だからなんでも後回しになるんだろうか.] ●Crawford's Divide and Choose のルールを言わずに,その性質だけを言ってどういうゲームだと 思うか聞いてみた.さすがに正解は出なかったが,正解を言った自分が「ちょっとまてよ,効率じゃない こともあるんでは」と思った.授業後大学院生と検討したら,分割者の提案と同分配とに無差別なときは 選択者は提案を受け入れるという仮定があるのに気づく. ●本日の部分は簡単だね.演習問題にするほどの材料がないなあ.
1820-1935, 2000-2105. Text (Young 1994, Equity: In theory and practice) Chapter 8, Sections 5-9. ●きょうのところでは最後のセクションの Bidding to be Divider が個人的に興味ある. Crawford 1979a と Demange 1984 は入手しようと.ほかのセクションは話としては簡単. ●Figure 17 をどうやって描いたのかはきちんと説明しなかったが,それは演習問題に回した. ●Section 8 の Alternating offers は一年生のときの非協力ゲーム理論で「ルービンシュタインの 交渉モデル」として出て来たのを思い出そう.このテキストの議論はやや雑. ●なぜか割引率 (ここでは正確には交渉が次の日まで続く確率) の話で盛り上がっていた. HT もふくめて何人かピンと来ず,いつもながら TT が説明.しかしなかなか手ごわいようで, YK が理解するまでしばらくかかった. 未来を割り引くこと (将来の1万円はいますぐ使えないので,その現在価値は1万円に満たない)は 経済学では常識だから忘れないように. ●Section 9 の Bidding to be Divider に来たとたん,TT がそれは土地を高く評価する B に不公平にならないかと.答を見れば不公平にならないのは分かるだろう. それ以前の問題として,B の効用が一定のとき A の効用を最大化することを効率性は 要求するが,その帰結は A はできるだけお金を増やして土地を減らそうとする ことに注意.A にとってはまずお金で,お金が上限に来たら土地ということ. 演習問題 2, 3を参照. ●Section 9 ではある戦略の組み合わせが均衡でないことの説明はやっている. 均衡をどう求めるかは説明していない.それは演習問題にしたが,自分で授業の後 の週末にやってみたら大学院レベルの問題だということが分かった. (解析学の初歩的なテクニックを使う.計算量が予想外に多く,だいぶ週末の時間を使ってしまった.) よって設問を分け,問題 6 をとりあえず答がすぐ出る形に, つまり egalitarian の性質を使って求めるようにした. ●Egalitarian equivalent 配分の説明をおまけとして無差別曲線でもやったが分かったかな. ●2105-2115. おまけ 集合論.要素関係,部分集合,インターセクション,ユニオンなどの記号.船木の本の ノーテーションが分からないから教えろと YY ら学生から要望. こういう記号はノートで使ったこともあると思うのだが.数学の常識なので覚えるように.
1820-1955, 2020-2110. Text (Young 1994, Equity: In theory and practice) Chapter 9, Sections 1-5. ●きょうはノートの量が多く,けっこうペースが速かった. ●授業直前 YK が机に近づいて来る.発表する予定の船木本の自分の担当部分が分からないと. 金曜日に会えないかということ.YK のお願いなら聞いてやりたいところだが,わるい,風邪できついのだ. あと,この発表は学生同士で協力してやることを期待しているという事情もある.まずはそちらを当たってね. ●この章の前提として,各人が全体の何割をもらう権利があるかというのははじめから決まっている. 遺言で決まっているとか,あるいは子供にとりあえずおかしを平等に配るとかを想定すればいい. で,その決められた通りの比率に配ったのでは非効率であるところから問題が出発する. ●Egalitarian allocation a では 各人が自分の割当 aiと全体の一定割合 ra0 とを 同等に好むのだが,(ふたりだけがいて,そのふたりが同等の権利を持つ場合) その r が 1/2 を下回ることがない ことをすぐに見抜いた TT は偉い. ●Equitarian の方は,各人が自分の割当 aiと全体のうちその権利 si に比例する 一定部分 rsia0 とを同等に好む.こちらはなかなか説明しにくい. 具体的な数値で例を出し, TT に説明してもらった. どうして equitarian だとそうなるという説明は抜けたが,参照点が権利分に比例するという結果は他の学生にも 伝わった.ノートの改訂で以下を追加: A は a*とrsA=3r/4=27/32 に無差別で,r=9/8 が計算できる. B は b* と rsB=r/4とに無差別.r を代入すれば答は出る. ●Section 4 にある,3人以上が等分の権利をもつとき, 「平等主義 (egalitarian) で分けると明白な不平等 (transparent inequity) が (選好を適当に選べば) かならず生じる」という結果は,言葉の印象とちがっていて面白い.例を見ればそれほど意外でないのは分かるが. ●5節は競争均衡における配分,つまり競争配分の話.競争均衡はじつは1年の授業でエッジワースボックスを 使って説明したことがあるが,初耳でないと気づいた学生は何人いただろうか. その場で消費者選択の図からはじめてエッジワースボックスを描いて競争均衡を図示するというのを 一気にやったが,まあ短時間で完璧に理解してもらうには無理がある. ●交換前の配分,つまり「初期保有」の概念が分かりにくいとの指摘があったが,要は,最初に「初期保有」 を決めておかないと(「市場」における)交換もはじめられないことに注意すれば良い. 小学校の先生がチョコレートと飴とを全児童ひとりひとりに100個づつ配った時点で児童の保有しているものが 初期保有で,その後自由な交換を認めた結果 (人数が多く交換の比率も収束してきたとき) 落ち着くであろうところを 記述したのが競争均衡配分.
1825-1940, 2000-2100. Text (Young 1994, Equity: In theory and practice) Chapter 9, Sections 6-10. ●Chapter 7 演習問題宿題の提出期限.もともと次年度の GSM の授業を想定した問題だが, もう少し出来ていいはずだ.高校レベルの数学か英語でつまづいているのか. 宿題は演習 I の成績評価では追加点扱いだが,演習 II にとっては入試のようなものと思ってくれていい. ●TT は2週間前まで欠席すると言っていたが,仕事の会議を東京でなく高松に来てもらってすることに変更して出席. 全員参加を義務づけるのは本日が最後になるかもしれないが,参加を義務づけた日には過去一人も欠席がなかったことになる. まあ,全員揃うのが6:30を過ぎることは何度かあったが. ●メインである Section 6 では,比例配分からの競争均衡だけがいい性質を満たすこと,つまり公理的特徴付け を言っている.これは学生に取っては相変わらず退屈というか,抽象的すぎる部分のようだ. ●Section 8 Enlarging the Pie では,それまで眠りかけていた SI と MY に起きてもらう. 「初期配分が増えるとき,最終的に受け取るバンドルにたいする効用が下がる人はいない」という単調性 (monotonicity) が自然な要請であることをまずは納得してもらう. ●等分からの競争均衡配分ルールが単調性を破る例を提示.これは図で描ける. ●じつは等分からの競争均衡配分ルールにかぎらず,効率で明白に公平な (transparently equitabile) ルールはどれも 非単調だということを Moulin and Thomson 1988 JME は証明している.この結果はもちろんのこと,競争配分ルールの 非単調性自体あまり知られていないのでは.おそらくあの有名な,分厚い大学院ミクロ経済学標準テキスト MWG にもないんじゃ. ミクロ経済学を教える,一般均衡理論に詳しい教授(香川なら星野さんとか藤本さんとか)に, 「初期保有が増えたら,だれも損をするひとはいないと言えますか?」とか聞いてみると面白いかも. 普通は「ちょっと考えさせて」と言うだろうが,「それは言える」と簡単に答えてしまうひともけっこういるかも. ●社会選択の理論家に限らないが,一見良さそうなものにいちゃもんをつけるのは学者の仕事. 理論的にできないことは求めないが, 「できないならできなことを証明せよ」といいたくなるのは社会選択理論家の性か. できないことが証明されないうちに,いったんつけたいちゃもんを引っ込めるのは良心が傷つくというものだ. ●Section 9 の例,学生を寮に割り当てる非分割財配分問題に競争均衡を使う(確率の束を割り当てる)のは 自分にはおもしろい例.実際に使えるようにするには,線形計画法のプログラムの使い方を知る必要がある. それだけでできるかどうか.それができても他の配分方法との比較もあるし,卒論のテーマにふさわしいかも. ちなみにみんなの TA である大学院生は,いくつかの配分ルールのプログラミングを修士論文でやっているところ. ●The total number $¥sum s_j$ of spaces equals the total number $n$ of students とノートにあるのを, 「数式で書いて欲しい」とめずらしい指摘が TT から.じつは,テキストの本文では合計記号シグマさえ 避けて言葉で書いている (記号になるとフォローしなくなる人が多いことへの配慮からか) のだが, それでは脚注や Appendix や演習問題とギャップが大きすぎるので, 僕のノートではちょっとだけ記号を入れているわけだ. ●今回はできれば Chapter 10 までやりたかったのだが,それは無理そうだと判断. それどころか Chapter 9 最後のセクションさえ後述の理由でノートが間に合わなかった. そこはとりあえず口頭で簡単に説明.テクニカルというより,倫理的な問題をあつかったセクション.
1825-1920 (Young), 1940-2110 (船木). -Text (Young 1994, Equity: In theory and practice) Chapter 10. -船木由喜彦. エコノミックゲームセオリー: 協力ゲームの応用. SGCライブラリ11. サイエンス社, 2001. 第1章「家・車の売買---非分割財市場のコア」1.1-1.2と1.3の最初の段落. ●10章は本文最後の章.この演習では累進課税をあつかった 6章以外のすべての本文を カバーしたことになる.今年度やっと講義ノートの準備から解放されて,一息つきたい気分. もっとも,これからは大学院の修論指導が佳境に入ってたいへんになりそうだが. ●ルールを作るときどういう点に注意したらいいかが,7つの質問項目として簡明にまとめてある. ルール作りについて思考を深めることができたなら,この授業はそれなりに意味があったといえるだろう. まじめに取り組んだひとは,ルール作りについてかなり専門的なアドバイスを理解できる素地ができたのではないか. ●もっとも大切な章とも言えるが,GSM の授業ではこの程度は各自読んでおけということで 済ませることもできるだろう. ●本日から船木のテキストの発表がはじまった.書いていることをきちんと理解して うまく説明すればいい.他の文献を調べてきて詳細な報告をすることは求めない. 説明が不十分だと思ったところは質問するので,自分の言葉で答えられるように準備をして, 頭にいれておくこと.テキストをそのまま読むようではいけない. ●数学記号に慣れていない学生がいるので,それは大学院生のTA に聞くのがいちばん早いだろう. 本を参照するのもいいが,必要な記号をすぐ見つけられるとは限らない. そのような本質とかかわりのない部分に時間を割かないように.さっさと聞いてしまえば小学生だって すぐ分かる話だ.(じっさい,僕らの世代は A⊂B とか A∪B といった集合の記号は小学生の ころから [当たり前のように?] 使っていた.) ●発表中に写真を撮りたいので,できるだけ協力をお願いする.何年後かに再会の機会があったり, メールを送ってくれたりしたとき,写真がないと誰だったか思い出せない確率けっこう高いので. ●YK が船木 1.1-1.2 を発表.いっしょに準備して来た YY, TT も前に出て助け舟を出す. 理論に入る前の部分なので20分くらいで終わるかと思ったが,70分かかった. 通り一遍に理解はしたつもりなのだろうが,質問をすると詰まることが多かった. はじめての発表者だから,どの程度の水準が要求されるのかが予想できていなかったという面も強いだろう. ただし,まじめに質問を続けるのを止めたくなる (まともに相手にしたくない) ほど悪くはなく, 予想より少し準備不足というていどなので,落ち込むことはない.ごくろうさん. ●他のひとは,YK とのやりとりを参考にしてしっかり準備するといいだろう. 特に,数式の意味はできるだけこなれた日本語で言えるようにしておくこと. ●TTが「プレーヤー」の定義を聞いていたが,じつはこれは無定義語. 「プレーヤー」はじめいくつかの言葉は無定義のまま記号化したうえで,ほかの概念を それらの記号によって表現するというのが,現実を数学の言葉による理論に翻訳するやり方. TT が尋ねたのは「定義」ではなく「解釈」と言った方が正しい. ●「譲渡可能効用のあるゲーム」という言葉は船木には説明がないため,詳しい説明は要求しなかった. 「譲渡可能効用のないゲーム」と対比しなければ本質が分からないからだ. 譲渡可能効用のあるゲームはそれぞれの提携に「提携値」というひとつの数字を与えるだけで 記述できることがポイント.本来ならば,提携メンバーひとりひとりの状態がどうなるかを 記述すべきであり,そのためには「提携値」というひとつの数だけでは済まないだろう. ひとつの数で表せるようなやや特殊な状況を扱ったのが「譲渡可能効用のあるゲーム」ということ. ●YY に 1.3 の最初の段落だけ試みにやってもらう.じつは後でノートに触れていることにかかわる 質問だったのだ.質問が先に出て来てきても,うまく対応できるように.
1820-1935 (正解解説), 1950-2130 (船木). -Young 7章の演習問題正解解説.8章の 1-4 のヒント. -船木由喜彦. エコノミックゲームセオリー: 協力ゲームの応用. SGCライブラリ11. サイエンス社, 2001. 第1章「家・車の売買---非分割財市場のコア」1.3-1.4. ●「試験期間中らしい.ちょっと待て,共通科目はみんな終わったのでは?」 ということで,今週も休むことなくやることになった. ●12月2日までならば7章宿題の追加を受け取ると言っていたが,追加提出はなかった. ●演習正解の解説は,あまり学生は身が入らない模様.自分でかなり考えた問題でないと解説されてもピンと来ないだろうが, もっと静かに聞きなさいよ. ●演習正解の解説については,おおむね「答を言われればそれほどたいしたことがないのは分かる」という反応.「でも,自分で やるのはむずかしい.」使う数学は高校レベルだから,これはトレーニングの問題も大きいだろう. ●船木 1.3-1.4の担当は YY.内容は分かっているようだが,質問にとっさにはうまく答えられない場面が少なくなかった. できるだけこなれた日本語で,と言ってたでしょう.だいぶいじめたんで,HT あたりは 「自分にもこんなにきびしくするの〜」って表情でふくれていた. ●左右の靴ゲームのコアの分析で,不等式あるいは等式が個人合理性から来るのか,提携合理性から来るのか, 全体合理性から来るのか,をちゃんと把握しておいたのはよかった. ●左靴をひとつづつ所有する所有者たちがある人数いて,それらと同じ数の右靴を独占的に所有している者がいるとき, コアを考える.するとコアはいろいろな利得配分をふくむのだが,右靴の独占所有者が右靴のひとつを捨ててしまえば コアは独占者に有利な配分1つだけが残るという.それに近い,いい現実例はないかと聞いたら, 政府関係機関に機器類を納品するプロである ?? が「そんなのいくらでもある」と出したのが エレベーターの例.わざわざ図を描いて説明してくれた.それほど意味がある図ではなかったが, とりあえず印象には残った. 潜在的な請負業者が 2社あるとき,エレベータを2種類持つビルを設計してその2社に 共にチャンスを与えるよりは 1種類しか持たない設計にした方が,安い値段でエレベータを 取り付けられるという.理論的には帰結が予想できる話だが,彼がいうからには実際にもあるんだろうな. エレベーターを1種類にすることにより失われたものがはっきりしていれば完璧な例になるけど, このままでも仕事人らしいじゅうぶん素晴らしい例だと思う.夜間の学生ならではのユニークな解答だ. ●min{|R∩S|, |L∩S|}という表現で,|R∩S| や |L∩S| を直接指定した例に難癖つけた理由は分かっただろうか. たとえば |R∩S|=3 や |L∩S|=5 などとやってしまうと, min{|R∩S|, |L∩S|}=min{3, 5}=3 ということでおしまいになる危険があった.R∩S や |R∩S| とは何かをまったく理解しなくても上の式は分かってしまう. しかしそれでは意味がない.要は, (i) 提携 S がRのメンバーを3人,L のメンバーを5人含むような提携であること, (ii) そのような提携では L-R ペアが 3 組できること, をイメージが沸くように説明しなければ,説明すべき目的を果たす例とは言えないのだ. 発表者は「 |R∩S|=3 かつ |L∩S|=5」といえばすでに (i) を言ったつもりかもしれないが, じつは何人かの学生にはそのことはにわかにはピンと来ないものだ. YY があの後に続けて (i) や (ii) をちゃんと説明するつもりだったなら,中断した僕が悪い.なら,ごめん. しかし,それよりはじめから Rのメンバーを3人,L のメンバーを5人含むような提携 S を具体的に作った上で, そのとき|R∩S|=3 かつ |L∩S|=5 になる,というふうに進んだ方が思考の流れとしても理にかなっている. あと,はじめから|R∩S|などに数を適当に与えようとすると,一般的にはありえない数を与える可能性がある. その意味でも危険なわけだ.
1815-1920, 1935-2050. 船木由喜彦. エコノミックゲームセオリー: 協力ゲームの応用. SGCライブラリ11. サイエンス社, 2001. 第1章「家・車の売買---非分割財市場のコア」1.5-1.6. 第7章「男女のマッチングと家の割り当て---貨幣のないケースのコア」 7.1-7.3. ●Chapter 8 演習問題宿題の提出期限.提出者なし.僕も集めるのを忘れていた.[延期した.] ●TT が 1.5-1.6 担当.ノートは絵やナレーションを使うなど,直観に訴える工夫が見られた.質問の 予想もしっかりできていた.こちらの指示のミスで 1.5 の最後の部分が抜け落ちていたのは残念. 発表を立ってやった方が,もっと動きが出てよかったと思う. ●MY が 7.1-7.3 担当.ノートは手書きだったが,それはまったくマイナスにはならない. 去年の学生のノートが入手できたぶん有利であろうが,正直いって予想以上に準備ができていた. Gale-Shapley アルゴリズムが安定なマッチングを導く証明もきちんとやってくれた. ホワイトボードに図を描いて説明したのが分かりやすかった. 寒さを調整しつつの発表だけど,何枚重ね着しているんだ. 「やってみるとおもしろいものでした」とのこと. ●授業中に触れた医師臨床研修マッチングはこちら http://www.jrmp.jp/ 「アルゴリズム図解」に Gale-Shapley アルゴリズムの働きが動画と言うか,ステップごとに動く かわいい絵で説明してある.ステップの数え方は船木のものとはちがうが,結果は同じになるのだろう.
1830-1930, 2000-2035. 船木由喜彦. エコノミックゲームセオリー: 協力ゲームの応用. SGCライブラリ11. サイエンス社, 2001. 第7章「男女のマッチングと家の割り当て---貨幣のないケースのコア」7.4-7.7. ●予想外に順調に進んだため,12/19/04 日曜日の補講はキャンセル.そのとき7章の後半とともにやる予定だった 久保幹雄・松井知己. 組合せ最適化 [短編集]. 朝倉書店, 1999. 第1章 「オイラー閉路と中国郵便配達人問題」 は気が向いたら年明けにやる. ●Young, Chapters 8, 9 演習問題宿題の提出期限を12月22日1830に延期した. ●HTが 7.4-7.5 を担当.G-S アルゴリズムの処理プロセスを図で説明したとき, SI がいいタイミングで「男をキープするというのが気に食わん」と口出ししたのが笑えた. ●男性側プロポーズによるゲールシャープレイアルゴリズムが男性最適なマッチングを 導くことの証明はかなり難しい.いままでの発表でも最難関だろう. 説明はこなれていたとは言わないが,ちゃんと証明は把握していたようだ. もちろんそれを他の学生に分かるようにうまく説明するのはたいへんなことである. ●TT が,この章の男女のマッチングの話は現実味がありそうでおもしろいと言えば, YY が「自分なんか,片方しかない靴だから.あんなのないですよ」と答え, TT「自分のは,馬を売り買いする話だった」と返し,大笑い. ●7.6-7.7は大学院生が担当.ここは僕はミスを指摘する程度にしておいた.速かったのでついていくのは 大変だったろうが,G-S アルゴリズムが多対1に拡張されて医師臨床研修マッチングなどで使われていることと, はじめに所有しているものを交換する,トップトレーディングサイクルというアルゴリズムがあることとを 押さえてくれればいい. ●この章で触れなかった重要な問題のひとつにG-S アルゴリズムの「戦略的操作可能性」の問題がある. そこでは,本当の選好を申告するのが自分にとって有利かどうかが問題となり, 分析方法は非協力ゲームに近いものになる.結論をいえば, 男性側からプロポーズするときは男性側は本当の選好を言うのがベストである. しかし,安定なマッチングが2つ以上存在するとき,女性は本当の選好を申告しない方がいいことがある. そこらへんの事情は,以下を見ると感じはつかめるのではないか: 戸田学. 「恋愛・就職・結婚」をゲーム理論で解く. (中山幹夫, 武藤滋夫, 船木由喜彦(編). ゲーム理論で解く, 6章). 有斐閣, 2000. 戸田さんのこのエッセイは,はじめてのひと向きに書いてはあるものの, マッチングについてちょっとだけ勉強した,みんなのようなひとが読むのに適している. ●とりあえず GSM の授業用に 7.1-7.4 節の範囲で演習問題を作ってみた.いずれこのページにでもアップロードするので, 興味ある方はチェックするといいだろう.
1815-1930, 2010-2040. 久保幹雄・松井知己. 組合せ最適化 [短編集]. 朝倉書店, 1999. 第1章 「オイラー閉路と中国郵便配達人問題」 ●ノートも準備せず,ホワイトボードを使いながら簡単にやった.成績発表後だったので, 「ここに至ってもまだやろうとする先生の気が知れん」とも言われたが. ●成績発表 S (秀) 該当なし,A3人,B2人,C2人だった. 授業中の発言については TT が突出しており,あとは似たり寄ったりで合格レベル.まあ,危ないやつもいたが. 提出宿題は全員が C 以下のでき.これはもっとがんばってもらいたかった. 発表については,やったひとは B- から A の間のレベルと評価できた. 総合評価は各人についてこれら3つの要素のマックスをとったものに近かった. 発表をやったかどうか,そしてその出来が総合評価に大きく影響した. ●演習 II の案内 有限数学 (グラフとネットワーク)その他を考えている. 登録は歓迎する.ただし厳しいので最初の1, 2ヶ月でほとんど落とされると思う. ●授業の感想をメールで送ってもらうことに.編集して Web に載せる.載せたくない部分はそう言って.たとえば: ・面白かったか,退屈だったか,ためになったか.高度な学問に触れた感触はあるか. ・ノートやテキストはよかったか. ・どういうひとに薦められるか,どういうひとに薦められないか.数学の能力は必要か. ・講師はどういうひとか.
感想はシラバスの直後に掲載.
予備日.